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誰でもできる!人に説明するだけの記憶術を教えます

こんにちは。作業療法士のトアルです。

前回の記事では、人が記憶を定着させるには、脳に対して「入力された情報は重要」と認識させる必要があると説明しました。

こんにちは。作業療法士のトアルです。皆さんは「勉強しているのにちっとも頭に残らない」という経験はありませんか?「本をたくさん読んでるのにすぐに忘れる」「勉強会に参加しても臨床に応用できない」と悩んでいる人も多いと思います。自分の記憶力が悪いせいで...
人の記憶は忘れるようにできている? - とある作業療法士のブログ

脳に対して「入力された情報は重要」と認識させる方法は2つあります。

「日常的に繰り返し使う」
「感情が動いたのか」

今回は「日常的に繰り返し使う」の具体例について説明します。

日常的に何度も使って覚える

リハビリでの臨床の場面で想定してみると、頻繁に遭遇する疾患とそうではない疾患では、知識の深さが違うと思います。

よくみる疾患では「こういう評価や手技を使ってみる」「こういう風に患者さんに説明しよう」とスムーズな対応できます。

しかし、あまり見ない疾患だと「あれ、どうすれば良かったんだっけ?」と慌てたりします。

スムーズに対応できるということは、その疾患を何度も繰り返し見ていて、何をすればいいのかしっかり理解しているということです。

入職して間もない頃は、初めての事ばかりで何もできません。

その中で「勉強して、覚えて、患者さんに伝えて…」を繰り返して色々な事を身に付けていきます。

その過程で、自分が足りないところがわかってきます。

それを補うために、また「勉強して、覚えて、患者さんに伝えて…」を繰り返し復習していきます。
つまり、患者さんを通して頻繁に記憶して『復習』していることになります

その復習の回数が多ければ多いほど、自分の中で行動や考えが定着していきます。

それが『理解』するという事です。

何回も『復習』をすることで、忘れない『記憶』を作る第一歩になります。

『記憶』=『理解』と言い換えてもいいかもしれませんね。

これまでの話の中で「復習」を行うことで「記憶」が定着するという事が理解できたと思います。

では「復習」はどのタイミングで行えばよいのでしょうか?

 

「復習」に効果的なタイミング

「復習」に効果的なタイミングに

「1day-1week-1month法」

というものがあるそうです。

その内容というのは、覚えた内容を1日後・1週間後・1ヵ月後「復習」するというもの。

前回の記事で書いたのですが、何かを記憶する場合、初めの入り口は『海馬』になります。

今の学説では『海馬』での記憶保持期間が2~4週間と言われおり、この期間中に何度も復習することで海馬が「この情報は重要な情報である」と認識するようになります。

「重要な情報」と認識した「海馬」は、その情報を側頭葉に送りこみます。
何度も反復され記憶された情報なので、その記憶は強く保存されることになります。

これを「長期記憶」と呼びます。

よくみる疾患で、知識が深まりやすいのはこういった理由があります。

 

人の脳は「アウトプット」することで覚える

上の例であげたように「記憶」には「理解」「復習」が必要です。
これらを使って、さらに効率的で具体的に行う方法を伝えたいと思います。

人をコンピューターに例えると「記憶」と「理解」「インプット」にあたります。
そして、情報を検索して出力することを「アウトプット」といいます。

コンピューターであればインプットした情報を検索すれば、100%アウトプットできますが、人間の脳は特殊で「インプット」ではなく「アウトプット」した情報をどんどん覚えるという特徴があります。

ですが、人間の脳のアウトプットは100%正確なものではなく、間違える事も多々あります。
間違えてしまった情報は、それに「フィードバック」をかけて修正していきます。

この「フィードバック」「復習」にあたります。

実習生のときや新人の頃は、フィードバックを掛ける役割はバイザーや先輩が担います。

右も左も分からない初心者であるため、自分でフィードバックを掛けるのは難しく、他者によるフィードバックが必要になるわけです。

ところが経験年数を重ねると、その回数は徐々に減っていってしまいます。
かなり意識していないと、「分からなくても、まぁいいか」となってしまいます。

こうなってしまうと、考えることを止め、成長も止まります。

そうなると、いずれはわからない事だらけになって仕事が面白くなくなり、ストレスを感じてしまうようになりますよね。

私個人の意見としては経験年数が上がっていくほど、常に何かを学んでいかなければならないと思っています。モチベーションを保つのは結構大変なんですけどね。

少しづつでもいいので、何か成長する機会を作り続けるべきだと思いますよ。

そのためにも「インプット」「アウトプット」は大切なんです。

経験年数を重ねたセラピストのアウトプット法

経験年数が上がり仕事を覚えてくると、どんどんフィードバックの機会は減ってきます。
自己修正でのフィードバックって結構難しく、意識をかなり高めに維持していないと無理です。

状況に流されちゃいますからね。

この記事を読んで、「あ、自分やばいかも…」と思った人もいるかもしれません。
ですが、あなたは超ラッキーです。「やばいかも」と気付けたのですから。

そんなあなたに、簡単で具体的な「アウトプット」法を教えたいと思います。

それは「日常会話で覚えたことを話す」ことです。

たとえば、分からないことがあればそれを調べて知識を「インプット」します。

その後に「誰か」に「最近知ったんだけどさ…」というようにさりげなく「アウトプット」します。

「誰か」というのは先輩・後輩・同期の同僚・実習生…とにかく誰でも構いません。
そして「さりげなく」というのがミソです。

「こんなことも知らなくてセラピストやっててすいません」というような反応でアウトプットすると、こいつ全然勉強してないなと思われます。ライトな感じで話しかけるのがベストです。相手も気構えしませんしね。

人に「アウトプット」しようとすることで、「インプット」した知識を、自分で「理解」して「整理」しようとします。でないと、伝えたいことがごっちゃになってしまい、上手く伝えることができません。

気難しい先輩にそれをやっちゃうと、ヤブヘビになり、メチャクチャ突っ込まれることもあるので気を付けましょう(笑)

話を元に戻しますが、アウトプットの方法を簡単に説明すると以下のようになります。

情報を記憶する(記憶) → 意味が分かる(理解) → 話す順番を考える(整理)

この「記憶」「理解」「整理」の3つの流れを掴んでおかなければ人に説明ができません。

そして、この3つの流れができたと思ったら実際に人に説明する。
これには、実際に「説明」するというアクションを起こす必要があります。

実際に自分の言葉で話すことで、「理解」や「整理」が不十分だった所が分かります。

不十分だった所は再び「記憶」「理解」が必要となり、インプットした内容が「整理」されていきます。それを、また人に話すことで海馬に対して、これは「重要な情報」であると認識させることができます。

つまり、行動を起こして人に何度も「説明」し「アウトプット」することで、初めて覚えたい事を定着させることができるのです。

初めは、面倒くさいし大変かもしれませんが、この積み重ねが大事なんだと思います。
副次効果としてコミュニケーションも深まりますしね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

人に説明することで記憶が定着しやすくなるメカニズムについて説明させていただきました。

肝心なのは記憶する内容を「理解」して人に「説明」すること。
これで海馬が活性化します。

何か覚えたいことがあれば、人に「アウトプット」するようにしましょう。

たとえ、間違えていても大丈夫、また「理解」し直して「説明」すればいいのですから。

自分が「理解」することで、初めて他者に「説明」でき、それを何度も繰り返すことで覚えていく、これは皆さんも経験的に知っていると思います。

経験年数が経っていても分からないことってたくさんありますよね。

改めてこの事を意識して実行することでセラピストとして成長できるのではないでしょうか?

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

toaru

急性期病院で働いている、臨床5年目の作業療法士です。作業療法士に役立つ情報を発信していきます。

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