Categories: 作業療法士の働き方 人間関係・ストレス対処法

「別に」という口癖は「別次元」への入り口?

こんにちは。作業療法士のトアルです。

職場や日常生活で「別に」という返事を聞いた時、皆さんはどんな感想を持たれるでしょうか?

「特に気にしない」
「上から物を言われているように感じる」
「関心ないんだろうな」

色々な意見があると思います。

過去に、ある女優がテレビで記者の質問に対して腕を組み不遜な態度で「別に」と答え、
世間的に大ヒンシュクを買ったことがありました。

この発言に至った経緯の真相はネットで色々言われています。

今回は、この事件の真相についての事ではなく別に」と返事をする人についてのお話です。

「別に」という言葉は相手を不安にさせる

「別に」

正直、この言葉は聞いた方にとって、あまりいい印象を受けないと思います。
例えばですが、自分が知り合いに話しかけた時のことを想定してみます。

・「体調が悪いの?」「別に悪くないですよ」
・「明日、映画に出かけない?」「別に行ってもいいですよ」
・「これをやってくれないか」「別に、やってもいいですよ」

声のトーンなどで相手の感情がわかることもありますが、そっけない態度をとられた場合に、この「別に」という返事は「いい意味」で言ったのか「悪い意味」で言ったのかどちらも相手の本心や真意が分かりません。

だからといって「その『別に』ってどういう意味なの」と立ち入って聞き返すのも、なんだか大人気ない感じがして、躊躇してしまいますよね。

ようは、この一言を発するだけで相手を不安にさせ、会話を中断させてしまう返事なのです。

この「別に」という言葉を頻繁に使う人は、意識的・無意識的を問わず、
自分の内に秘めた反発心を演出しようとしている可能性があります。

 

別にという返事の言葉の裏側

「別に」という言葉は後半の部分が抜け落ちていると考えられます。
「別に」・『いい』←この部分が抜けているんです。

この『いい』は「OK」という意味ではありません。大体は「NO」です。

「本当は言いたいことはあるけど、どうせ言っても無駄だろうから別にいい」と言いたいのです。

自分の意見はあるのですが、言いたくないので、「別に」と言い放つのです。

若い人に多い口癖の傾向であり、この世の中に対して「諦めの気持ち」があり、
根底には「どうせ言っても無駄」という気持ちが根付いているのです。

そのため「別に」と頻繁に言う人は、仕事やプライベートでも
本心を見せてくれないので、付き合いにくいのです。

また、この「別に」を多用するタイプの人は、たくさんの仲間とワイワイやるより独りでいることを好みます。

なぜかというと、他の人には何を言っても無駄なので、自分の好きに行動できた方が楽だと考えているからです。他の人と関わるのが面倒くさいために、何を聞かれても「別に」と言うのです。

この場合「別に、あんたに関係ないからほっといてくれ。私は独りになりたいんだ」と言いたいのです。

 

自主性のない自分へのコンプレックス

また、「別に」という言葉にはもう一つの意味が隠されています。

「別に」という発言を繰り返すタイプの人は「自主性がない人場合があります。

こういうタイプの場合、仕事もプライベートも言われるがままのことが多く、
自分で責任を持って行動することができません。

自主性がない自分を肯定するために「自分は相手に言われたままのことをしているのではなく、
相手が求めることを自主的にしてあげている」という置き換えをしている場合があります。

これは意識的にとっている場合もありますし、無意識の場合もあります。

そうしなければ、自分の行った行動が矛盾しストレスを抱えてしまうからです。

ようは自主性がないことにコンプレックスを持っていることが考えられます。

「別に」は責任逃れの言葉

「別に」と言われた相手からすると、上から目線でものを言われているような気がして
腹が立つこともあります。

まるで「本当は嫌だけど、いいよ。合わせるよ。」という具合です。

そして「ただし、責任はあなたにありますよ。」という風に感じます。

実は「別に」という言葉の裏側には「責任を持つことに対する恐怖」があります。
「別に」ということで自分が責任を負わなくてもいい状況をつくることができます。

ですが、受け取る相手によっては「この人は無責任な人」だと思われる可能性があります。
仕事やプライベートでも大きなマイナスとなってしまう可能性が高いのです。

 

「別に」を克服する方法

今まで述べたように、「別に」とは人間関係でデメリットがとても大きい口癖です。

この口癖を克服するには、つい「別に」と言ってしまう癖を変えることから始まります。
ですが、多くの人は自分が「別に」といっている事に自覚がありません。

この記事を読んでいるあなたは、自分を変えるとても大きな一歩を踏み出したと思ってもらえれば大丈夫です。気付きが得られれば、それを直すのも簡単なのです。

この口癖を直す簡単な方法を伝えたいと思います。

どういう方法かというと、「別に」という言葉を「私は」に置き換えるようにします。

冒頭の例で考えてみましょう。

・「体調が悪いの?」「別に悪くないですよ」→「私は悪くない」
・「明日、映画に出かけない?」「別に行ってもいいよ」→「私は行ってもいいよ」
・「これをやってくれないか」「別に、いいですよ」→「私はやってもいいですよ」

これはOKの返答の場合ですが、NOの場合も反応としては使うことができます。

「別に」を「私は」に置き換える、まずは形から入る必要があります

口癖を直そうと思ったら、実際に行動しなければ相手には伝わりません。
相手あってのコミュニケーションですからね。

そして、この方法にはどういう効果があるかというと、主語を「私は」に変えることで、
自分の発言に対する責任は格段に上がります。

こうすることで、話している相手に対しても上から目線にはならず、
意見が異なっても、ただ意見が違うだけというように捉えてもらえるようになります。

 

まとめ

どうでしょうか「別に」という口癖を連発すると、人から避けられてしまい、
自分自身をの別次元に飛ばされることが良く分かったのではないかと思います。

口癖は、心の癖でもあると言われています。

これを変えることで、今までとは違うコミュニケーションをとれるようになります。

まずは、行動から変えるのが重要です。

「行動」を変えて「習慣化」することで初めて「心」は変化します。
逆に言えば行動しなければ「心」は変わらないということになります。

習慣化が定着化するのには早い人で18日と言われています。

それを乗り越えれば自分の中で「心」が変わっているはずです。

是非お試しください。

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

toaru

急性期病院で働いている、臨床5年目の作業療法士です。作業療法士に役立つ情報を発信していきます。

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