こんにちは。作業療法士のトアルです。
今回は「神経心理学的検査」について解説させて頂きたいと思います。
作業療法士なら身体障害分野・精神障害分野に関わらず関係の深い検査になります。
では、この検査一体何のためにするのでしょうか?
「作業療法士ならやるのは当たり前でしょ?」と思われがちですが、目的は何かと問われると
一言で説明しにくいものでもあります。
臨床での経験年数が上がり、学生さんや後輩を指導する上でも改めて勉強する必要があるなぁと
思い立ったので、この記事を書かこうかなと思った次第です。
神経心理学的検査の最大の目的は「高次脳機能障害」を診断するために用いられます。
リハビリでの臨床場面でいうと、「脳卒中」や「頭部外傷」などで脳血管障害がある場合や、
脳の血管に障害がない場合でも、脳の器質部分に障害が生じる「認知症」などが対象になります。
また、脳の血管障害や器質的な障害がない場合でも、心理的な問題で何らかの脳機能の低下を
招いている場合に実施されることがあります。
上記に挙げた何らかの原因で脳の機能が低下すると
「注意障害」「失見当識」「失語」「失行」「失認」「記憶障害」などの障害が生じます。
これらが後遺症として残った場合を「高次脳機能障害」といいます。
「高次脳機能」とは大脳で行われる様々な機能のことで
「言語機能」「認知機能」「記憶」「行為」などがあります。
神経心理学的検査ではそれぞれの高次脳機能について個別の検査があります。
内容としては口頭での質問や文字・図形を書かせるなどのほか、
ブロックを組み合わせるようなものもあります。
作業療法士には馴染みが深いものですよね。
HDS-R、MMSE、コース立方体組み合わせテストなどがこれにあたります。
誰が行うかについてですが、医師が直接行うこともありますし、
臨床心理士や私たち作業療法士が行う事も多いです。
手順としては簡単な内容の検査を使用し、症状の有無を振り分けしていきます。
これを「スクリーニング」といいます。
その結果を受けて、さらに詳細な他の検査を行っていきます。
どのような検査を行うかについては以下の表を参考にしてみて下さい。
高次脳機能検査の種類はこれ以外にもあります。
ここでは、臨床でよく使われるものを上げてみました。
今回は「神経生理学的検査」について解説させて頂きました。
できるだけ分かりやすくなるようにまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
初見の方にも理解しやすいようにまとめたので今更感もありますが…。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。