Categories: 急性期OTの独り言

作業療法士の定義が変わりましたね

こんにちは。作業療法士のトアルです。

少し情報が遅れましたが、この度、作業療法の新たな定義が
30数年ぶりに作業療法士協会の総会にて可決されたようです。

今回は「作業療法の新定義」について思ったことを書きたいと思います。

作業療法の改定前の定義について

これまでの定義は以下のようになります。

という、読んでいても疑問符が付くような内容でちょっと分かりにくいんですよね。
作業療法士が読んでも分かりにくいのであれば、一般の人が読んでもわからないですよね。

まず「作業って何?」ってなります。
一般の方にこの作業について説明するのも一苦労なんですよね。

「よくわからないけど、要はリハビリの仕事の一つなんでしょ?」ってところで
納められてしまう事が多かったように思います。

「作業」という言葉の響きは、内職のように一人で黙々とと同じことを繰り返すような
イメージをもたれることが多いようで誤解を与えることも多いんですね。

 

作業療法の改定後の定義について

新しい定義ですが、その内容を引用します。

新しい定義では「作業とは何か」という所をちゃんと説明しています。
こう書いてあると一般の方にも説明もしやすいです。

作業療法の対象者が「生活を送るにあたり何をしたいのか?どうなりたいのか?」という
目標に向けて支援する。

「作業」以外にも「生活行為」という言葉を加えたことで
わかりやすくなったのではないかと思います。

今までの定義では「生活」とは何かいうことに言及してなかったので
分かりにくかったのではないかなと個人的に思っています。

補足として「作業」には以下のようなものが含まれます。

作業療法の目標は、日常生活の活動に人々が参加できるようになるということ

作業療法の目標は「日常生活の活動に人々が参加できるようになること」とされています。

日常生活の活動に参加できていない状態とはどういうことなのかを考えてみます。
病気だから高齢だからといわれ、起きては食っちゃ寝を繰り返すという感じです。

これでは生命活動を維持しているだけで日常生活をしているとは言えないと思います。
QOLは決して高くないはずです。

今回改定された作業療法の定義では、生活の中に目的と価値のある生活行為を増やし、
その人の個性や家族・その周囲を取り巻くつながりになっていくことを目指している
のではないかと思っています。

 

まとめ

今回は「作業療法の新定義」について思ったことを書かせて頂きました。

定義が変わったことは「作業療法」を世間に認知させる上で大きな一歩だと思います。

しかし、すぐに世間の認識が変わるというわけではないと思います。

定義が変わる前から、対象者のためにという思いで頑張ってきたことは変わりがないはずです。
それに定義がついてきたんだろうという印象を受けます。

今回、定義が変わったという事実は、医療の中での作業療法の立ち位置を明確にしていく
といういい機会なのではないのでしょうか。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

toaru

急性期病院で働いている、臨床5年目の作業療法士です。作業療法士に役立つ情報を発信していきます。

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