こんにちは。作業療法士のトアルです。
「FAI」初めて聞く方もいるかもしれません。
自分自身もMTDLPを勉強して始めて知った評価方法でした。
簡単に説明すると、対象者の最近の生活(IADL)を対象者自身で振り返ってもらい、
それを評価するものです。
Contents
「FAI」は1983年にHolbrookとSkllbeckによってつくられた評価方法です。
元々は脳卒中のアウトカム評価として開発された経緯があります。
この評価は面接調査であり、3か月間または6か月間の行動を
評価するものになっています。
以下の15の項目があります。
1.食事の用意
2.食事の片づけ
3.洗濯
4.掃除・整頓
5.力仕事
6.買い物
7.外出
8.屋外歩行
9.趣味
10.交通手段の利用
11.旅行
12.庭仕事
13.家や車の手入れ
14.読書
15.仕事
回答としては大まかに以下の0~3点の選択肢があります。
「0:していない」
「1:週1回未満であるがしている」
「2:週1~ 2回程度実施」
「3:ほとんど毎日している」
この4つの中から1つを選択します。
ではFAIによる各質問項目を説明します。
献立を考え、準備をし、調理をしているかが問われます。
「買い物」は項目6にあるため、ここには含みません。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1~2回程度)
3点: 週に3回以上している。
台所の洗い場まで食器を運び、洗う、拭く、そして棚にしまう、までが必要とされます。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1~2回程度)
3点: 週に3回以上している。
洗濯の方法は特に問わないそうです。洗う、干すまでが必要とされます。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
ほうきやモップ、掃除機を使用した清掃、身の回りの物の整理整頓などができるか問われています。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
布団の上げ下ろし、雑巾で床を拭く、家具の移動や荷物の運搬といった
力仕事を行っているかどうかを問われます。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
自分で選んだり購入したりすることを問われます。
商品の選択することを評価し、移動方法は問われないようです。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
映画、演劇を観に行く、食事(外食)、会合に出かけるといったことが求められます。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
散歩や買い物、外出などで屋外歩行し、少なくても15分以上歩くことです。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
園芸や編み物、スポーツといった“能動的な活動”を指します。
「テレビ鑑賞」や「テレビでスポーツを見る」は趣味に含まないとされています。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
自転車や車、バス、電車、飛行機といった交通手段を利用することを問われます。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
車、バス、電車、飛行機を利用して楽しみのために行う旅行をすることです。
仕事は含まないそうです。点数は頻度を問われます。
1点: まれにしている。
2点: 時々している。(週1回未満)
3点: 週に1回以上している。
自宅の庭仕事についてです。草刈りや水撒き、庭掃除などが対象です。
1点: 時々している。
2点: 定期的に行っている。
3点: 必要に応じて掘り起こしや、植え替えも行っている。
1点: 電球その他の部品の取り換え、ねじ止めなど。
2点: 1点の項目に加え、ペンキ塗り、室内の模様替え、車の点検・洗車を行っている。
3点: 1点と2点の項目に加え、家の修理、車の整備もしている。
本(書籍)を読むことであり、新聞や週刊誌、パンフレットは含まないとされています。
1点: まれにしている。
2点: 時々読んでいる。(月1回程度)
3点: 読んでいる。(月に2回以上)
収入を得る手段です。常勤・非常勤・パートは問いませんが、ボランティア活動などは含みません。
1点: 週に1~9時間働いている。
2点: 週に10~29時間働いている。
3点: 週に30時間以上働いている。
15項目を採点すると、合計点は0点~45点となります。
自分が調べたところでは、点数ごとのカットオフ値は見当たりませんでした。
対象者の現状を把握する1つの手段として用いることが出来れば良いのかなと思っています。
IADL評価の一つの方法としてFAIは有効な手段と言えます。
ただし、質問に答えたり、自分の生活について把握する認知機能を保っている必要があります。
そのため、仮に認知機能が低下している場合、FAI単一の評価法だけでは評価できません。
また、生活様式は多用化しており、1つだけの評価法では測りにくいものだと思います。
そのため、MTDLPでは様々な評価方法を使い色々な視点から評価するのだと思います。
それでは、この辺で。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。