Categories: 急性期OTの独り言 作業療法(急性期)

セラピストが勉強する理由がわからない

こんにちは。作業療法士のトアルです。

日々、忙しい中セラピストとして勉強してますでしょうか?
「なに、真面目ぶってんの?」と思われるかもしれません。

前回もお話ししましたが、人の考え方は千差万別。

それぞれに合ったやり方で考えていけばいいというのが私の持論です。

今回、記事にさせて頂くのは「セラピストが勉強する理由がわからない」についてです。
ある程度、経験年数を経て経験値が上がってくると「自分流」になることが
多いのではないでしょうか?

これは、決して悪い事ではないと思ます。

自分が得てきた貴重な経験を反映させている事にもなりますし、
相応の努力を重ねた結果でもあります。

私にそれをどうこういう権利はありません。

ですが、たまには昔を振り返ってみることも重要ではないでしょうか?
「自分が何をしたかったのか?」
ときには原点に立ち返ることも必要だと私は思います。

では、セラピストが勉強する理由って何でしょうか?

私は「自己成長」「自己実現」ではないかと考えています。

「自分が何をしたいのか?」
「自分はどうありたかったのか?」

この答えに必要なのが「気付き」です。
「気付き」というのは勉強をしなければ得ることはできません。

今回は「気付き」を得るための方法を記事にしてみたいと思います。

日本伝統の勉強法「守破離」

皆さんは「守破離」という言葉を知っているでしょうか?
「守破離」とは千利休の言葉で、学びの姿勢を示す言葉です。

「規矩作法、守りつくして破るとも離るるとも本を忘るな」

日本の伝統芸能では芸事を極めるための基本的な姿勢といわれています。

概要は以下のようになります。

「守」 → 師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むこと。
「破」 → 師の流儀を極めた後に、他流を研究すること。
「離」 → 自己の研究を集大成し、独自の境地を開いて新しい流派を築くこと。

もう少しわかりやすく解説すると以下のようになります。

「守」 → 基本を徹底的に真似て自分のものにする。 (初心者のステージ)
「破」 → 他の人のやり方、他流を研究してさらに成長させる。 (中級者のステージ)
「離」 → 自分流のスタイルを探求して「自分流」を確立させる。 (上級者のステージ) 

この「守破離」を「知った」上で「実践」することがとても大切です。

この「守破離」を「知った」上で「実践」することがとても大切です。
(…くどいようですが、とても大切なことだと思うので2度書きました…)

多くの人は、「守破離」の「守」をしっかり自分のものにせず、
「離」である「自分流」に移行してしまいます。

そうするとどういうことが起きるのでしょうか?

 

「守破離」を守らないとどうなるか?

学ぶ時の基本的なステップともいえる「守破離」ですが、これを守れないと
どういう不都合が起きるのでしょうか?

結論から言うと「壁」にぶつかってしまいます。

基本がわからないので上達もしないし、やっていても面白くないのです。
そうすると、結果的にやめてしまいます。

ほとんどの人は「守破離」のステップを踏まずに「自分流」でやろうとします。
「自分流」で試行錯誤をしていき、自分流のスタイルを確立した「つもり」になってしまう
場合が多いのです。

そうすると、どうなるかというと上でも言ったように基本ができていないので
上達しないし面白くない、結果として途中でやめてしまうことが多いのです。

これって急性期のOTによくある光景なんじゃないかなと思います。

急性期OTでの「守破離」

「急性期のOTはPTと区別がつかない」
これは結構、言われることが多いと思います。

私の職場でも実際にOTの離職率は高い方だと思います。

私は急性期OTとして働いていますが、
時々、急性期でのPT・OTの違いって何だろうと考えることがあります。

人が病気になって回復する段階ではある程度の期間が必要です。
特に大腿骨骨折など回復には時間がかかります。

大腿骨骨折では急性期の脱臼管理やリハビリ訓練として、
OTが特異的に何か特殊な事ができるわけではないはずです。

「下肢・歩行はPTにお願いする」
これもOTではよく言われる事ですが、私は少し違うと思います。

OTでも下肢・歩行のことは勉強する必要があると思います。
「OTだからやらなくてもいいよね」ってのは言い訳なんじゃないかなと考えます。
(もちろん、下肢・歩行に一家言あるPTもいると思いますので、職場の人間関係を壊さないような対応は必要ですが…)

せっかく急性期で働いていて下肢を見るチャンスがあれば積極的に勉強する
ことも大事なんじゃないでしょうか?

PTは基本動作、OTは応用動作ともいわれますが、基本を知らないと
応用も利かないんではないでしょうか?

私はそう思うのです。

 

まとめ

今回は「セラピストが勉強する理由がわからない」ことをテーマに記事にさせて頂きました。

ちょっと愚痴っぽく、話も飛躍しすぎた所が無きにしもあらずですが、
結局のところ「自分が何をしたいのか」「自分はどうありたいのか」という
目的をハッキリさせることが重要だと思います。

それをハッキリさせるには勉強して「気付き」を得ることが大切なんだと考えます。

自分が「守破離」の「守」の立ち位置であることを知って、自己成長のために
順序を追ってステップを踏んでいく必要があるんじゃないかというお話でした。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

toaru

急性期病院で働いている、臨床5年目の作業療法士です。作業療法士に役立つ情報を発信していきます。

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