こんにちは作業療法士のトアルです。
今回は「悲観的」な人が「楽観的」に生きる方法について解説させていただきます。
あなたは「楽観的か悲観的どっちですか?」と言われるとどちらになりますか?
ぶっちゃけた話、私は「悲観的」な人間です。
しかも「超」が付くほど絶望的に「悲観的」なんですね。
職場で少し注意されたくらい(書類の項目の1つが抜けてたとか)でも、
「ああ、自分はこんなこともできないのか、全然だめだ」と、
徹底的に自分を攻めまくる…。
しかも、延々と引きずってしまうので、ストレスが溜まり体調を崩す…。
正直な話、こんな生き方は嫌だし、前向きな人をうらやましいと思っていました。
ずっと「自分の性格は生まれつきで絶対に直せない」そう思い込んでいました。
特に1年目の頃はその傾向が強く、精神的に相当きつかったのを覚えています。
年齢が30歳を超えての入職だったので、「頑張らないと」という意識や
「いい年なのにこんなこともできないの?」という周囲の声も
多少は影響していたとは思います。
今はこういった細かいミスを減らす努力をしたり、環境に馴染んできたというのもあって、
かなりストレスは減りました。
ですが、この根本にある「悲観的」な考え方は中々直らず苦労しました。
そんな私が、考えが変わるように努めている方法を伝えたいと思います。
あなたが、近くの本屋に本を買いに行ったところ、自分が欲しい本がなかったとします。
このとき、あなたは「別の書店で見つければいいや」と気楽に考えますか?
それとも、「自分は何をしてもうまくいかない」と落ち込みますか?
極端な例かもしれませんが、同じ出来事でも人よって受け止め方は大きく異なります。
前者の場合、あなたは比較的物事を良い方へと考える「楽観的」な性格の人で、
後者なら物事を悪い方へと考える「悲観的」な性格だといえます。
もちろん、その時の気分や体調、直前の出来事などによって考え方は左右されますが、
人は以前経験したのと同じような場面になれば似たような考え方や行動をとります 。
良い事、悪い事を含めて感情を揺さぶられる時に現れる、
その人なりの一定の行動・思考パターンのことを「性格」といいます。
さて、上の本の例でいうと、この記事を読んでいる
あなたはどちらの考え方に近いでしょうか?
基本的に「楽観的」な性格の人は切り替えが早く、上手くいかなかったことをいつまでも悩みません。一方「悲観的」な性格の人は、くよくよと悩んで不快な気分からなかなか抜け出せません。
悩みは出来事それ自体というよりも、それをどう受け止めるかで生じる事が多いと言えます。
つまり、「欲しい本が無かった」という事実に対して
「欲しい本が無かった」
↓
「期待が外れた」
↓
「いつも自分はそうだ」
↓
「自分は何をやってもうまくいかない」
という否定的な感情の連鎖が延々と続き、不快な気分を長引かせるわけです。
悲観的な人がよく陥る思考として「これは性格で地のものだから直しようがない」
というものがあります。
ではこの「性格」本当に直せないものなのでしょうか?
ポジティブ心理学者のマーティン・セリグマン教授は著書
『オプティミストはなぜ成功するのか』の中で、
物事を「楽観的」に捉えるか「悲観的」に捉えるかで、人生の成功や幸せに差が出る。
と説いています。
セリグマンによれば楽観的思考をする人の特徴は、
『良い出来事があった時』に顕著に表れるそうです。
自分が取り組んでいる仕事が上手くいったとき、楽観的思考の人は
「自分の頑張りが上手く認められた」と成功の原因を、自分の努力だと思い
「いつでも、精一杯やる事が自分の生き方だ」とその原因は継続すると考えます。
そして、「私は努力家として周囲から一目置かれている」と
その良い影響の範囲を広く解釈して捉えます。
ですが、悲観的思考の人の特徴は、悪い出来事が起きた時に良くあらわれます。
自分が取り組んでいた仕事が上手くいかなかったときに、悲観的思考の人は
「自分は口下手だから失敗した」と失敗の原因を自分のせいにして
「自分の口下手はすぐに直らない」とその原因は今後もずっと続くと考えます。
そして、「この口下手のために仕事だけでなく、全てのことが上手くいかない」と
その悪い影響の範囲を広く解釈して捉えます。
こうした、出来事の捉え方をセリグマンは『説明スタイル』と唱えています。
『説明スタイル』には上に上げたように2つのパターンが存在します。
1つは『楽観的説明スタイル』で、もう1つが『悲観的説明スタイル』です。
『楽観的説明スタイル』では、良い出来事が起きた時に、
その出来事の原因を「内的」「永続的」「普遍的」に捉えます。
ですが、悪い出来事が起きた場合は、その出来事の原因を
「外的」「一時的」「限定的」というように捉えます。
一方『悲観的説明スタイル』では、良い出来事が起きた時、
その出来事の原因を「外的」「一時的」「限定的」に捉えます。
ですが、悪い出来事が起きた場合は、その出来事の原因を
「内的」「永続的」「普遍的」というように捉えます。
この捉え方の違いは、ビジネスでの業績にも影響を及ぼすようです。
セリグマンらが生命保険会社のベテラン外交員200名を対象に行ったアンケートでは、
楽観度が上位にランクしている人たちは下位の人たちよりも、
最初の2年間で平均37%も多くの契約を獲得していたそうです。
この調査結果から『説明スタイル』の違いが、業績に大きく反映された結果と
言えるのではないでしょうか?
セリグマンは、楽観的思考か悲観的思考は先天的な性格で決まるのではなく、
『説明スタイル』で変えることができると説きます。
この『説明スタイル』という考え方をすると
「性格はそもそも生まれつき。普遍的なもので一生直らないよ」
と諦めるのは早いと思いませんか?
このボールは「あなた自身」で、「性格=悲観的」をコアとして、
「職業」「出身地」「家族構成」などを含んだ色んな情報を
「付箋紙」にして張り付けてみましょう。
この考え方だと「性格=悲観的」が「コア」にあるため変えられる気がしませんよね。
ですが、今度はこの「性格」をボールから出し
「説明スタイル」として付箋紙にして張り付けてみましょう。
これだと、張り替えたり、書き換えたりすればいいだけで、
意外と変えられるような気がしませんか?
自分の考え方や捉え方の視点を少し変えてみると意外な発見があるのではないかと思います。
「自分はどうせ…」とか「何もできない」と悲観するのは自分自身を痛めつけます。
いつもこの考え方をしてしまうと、いずれ身も心もボロボロになるのではないでしょうか?
そのためには、自分の考え方や捉え方を変に凝り固まったようにするのではなく、
考え方をラクに柔軟に変えていく必要があるんじゃないかと私は思います。
悲観的思考をやめ、よりラクに柔軟に生きるには、出来事の受け止め方を
変えていく必要があります。
初めにお話しした本を例にすると、実際に起こったのは「本が無かった」ということだけで、
それほど落胆する必要はありませんよね。
別の本屋に行って買えばいいんだと、できるだけ楽観的に受け止めればいいんです。
受け止め方を変えるだけで、悩みや不快な気分に終止符をうつことができます。
そのためには、別の捉え方もあるということに「気付ける」といいのかもしれません。
こんな風に考え方を変えるには「本を読む」ことが最良の方法と思います。
自分の頭の中だけで考えると「思考の袋小路」に迷い込んでしまいます。
最後に悲観的な考え方から抜け出すのにオススメな本を紹介させていただきます。
「ポジティブ心理学」は「自分が幸せに、ラクに生きる」ための考え方です。
自分にとって「何が幸せなのか?」迷っている人にオススメの本です。
肩肘張らずに、自然にストレスなく生活したいですよね。
私もそうやって生きていきたいなぁと常々思っています。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。