面白い話には法則が…「おもしろい伝え方の公式」を読んでみて!




こんにちは。作業療法士のトアルです。

今回は書評になります。

紹介する本は「初対面でも話がはずむおもしろい伝え方の公式」
著者:石田章洋 出版社:日本能率協会マネジメントセンター
2016年の本ですが、かなり面白い内容でした。

 

本を読む前の私

コミュニケーションはセラピストにとって必要なスキルの一つです。

しかし「会話が途切れてしまう」「会話が続かない」など新人さんの頃は
誰もが直面する場面ではないでしょうか?

その度に「自分はこの仕事に向かないのかなぁ」と落ち込んだり、自分を責めたりすることも
あるのではないでしょうか?

これは職場の人間関係でも当てはまります。

やっぱり話が面白い人は人が集まってくるし、仕事もとても楽しそうにやってるんですよね。

内心うらやましいなと思いながらも話の上手・下手や性格は生まれつきのもので
努力しても変えられないし、しょうがないと諦めていました。

ですが、この本を読んで私は気付きを3つ得ることができました。

1つ目は「空気を読む×笑いの原理×伝える技術でコミュニケーションは変わる」
2つ目は「緊張の緩和の理論を知ることで笑いが起きる」
3つ目は「映像化の理論で相手に伝わりやすくなる」

です。

 

1つ目の気付き

1つ目は「空気を読む×笑いの原理×伝える技術でコミュニケーションは変わる」
についてです。空気を読むのはコミュニケーションの土台です。

そして、会話における「空気」とは「流れ」のことです。

この「流れ」を読むためには、どうすればいいのでしょうか?

それは、その場所にいる人たちが
「どういう人達か」
「なんのためにいるのか」
「どこに向かっているのか」
を見極めることが必要です。

これを見極めることができれば、場の価値観を知ることができます。
そのためには「観察力」を鍛える必要があります。

「観察力」は会話をしている相手のことをしっかり見ていなければ身に付きません。

私もそうなのですが、話を面白くしようとしている人というのは
自分が何を話すかに注意が向きすぎて相手のことを置いていってしまいます。

そうなると「相手が何を伝えたいのか?」に視点が行かなくなりチグハグな会話になってしまいます。

一番大切なのは「話をしている相手の気持ちを汲むこと」です。
まずは、これを大切した方が良いと気付かされました。

2つ目の気付き

2つ目は「緊張の緩和の理論を知ることで笑いが起きる」です。

「緊張の緩和の理論」

この理論は、落語家の桂持雀さんやタレントの明石家さんまさんがお話していた理論だそうです。

哲学者のカントや生物学者のダーウィンも同じような表現を残しています。
本書にはこれを実践するための8つの法則が書かれています。

8つの法則はどれも「なるほどなぁ」と思わせる内容となっています。
くりーむしちゅーの上田さんや、芸人の宮川大輔さん、はては東京都知事の小池知事など
有名人を例えに出していてわかりやすいんですよね。

3つ目の気付き

3つ目は「映像化の理論で相手に伝わりやすくなる」です。
面白い人の話は話しているネタの内容が脳裏に浮かんできます。

話している相手の頭の中に、ありありと映像を浮かべることができるから
笑いが取れるのです。

代表的な例ですと、松本人志さんの例え話がそれにあたります。
「車の助手席にいつも座っているゴリラ」とか「ノリツッコミをするトンボ」などです。
(本書には他の例も載ってます。)

突拍子もない組み合わせですが、いかにも、そこに存在しているかのように話すので、
聞いている方はそれを頭の中に映像として思い浮かべ、つい笑ってしまうのです。

伝えるときには頭の中のスクリーンに、これから伝えたい情景を動画で思い浮かべてみる。

これは実際に自分が体験した出来事の方が話しやすいためです。
そうすれば実感を持って話しやすいですよね。なるほどなぁと思いました。

まとめ

著者は元落語家で、放送作家を30年にわたり勤めてきた方です。
数々の芸人さんと接しその笑いの技術を多く見てきたという実績と信頼があります。

「おもしろい話って何だろう?」「どうすれば面白い話ができるのだろう?」
これまで記事にしてきたように、面白い話にはある一定の法則があるのです。

この法則を知っているか、知らないかで患者さんとの信頼関係の築き方が
違ってくると思います。

この法則は職場での人間関係を円滑にするのにも役立ちます。
コミュニケーションが上手くなり、話が上手になれば自然にストレスは減ってくると思いますよ。

 

職場の人間関係をうまく進めたい、患者さんと上手く話したいセラピストの皆さまも、
一度お手に取って読んでみることをお勧めします。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。