「IQ・知能検査とは何か?」作業療法士がやさしく解説




こんにちは。作業療法士のトアルです。

今回は「IQ・知能検査」について記事を書こうと思います。
作業療法の検査でも「知能検査」を行うことがあると思います。

実際には臨床現場では臨床心理士などが主体になり行う事が多いのだそうです。

自分の経験談ですが、ネット検索でも「作業療法 認知検査」では上手くヒットしません。
知能検査にはそれだけ専門的な解釈が必要だからかもしれません。

今回はできるだけわかりやすいように記事を書いていきたいと思います。

知能検査の歴史

「知能検査」を知るにはその歴史を大まかに把握した方がいいと思います。
理由としては、知能の定義が複雑でありその時代ごとに解釈が違うためです。

 

スタンフォード・ビネー式

知能検査の始まりは、1905年にフランスのビネーが行ったものです。

目的としては、知的に問題がある学童を判別するためのもので、就学する学童(6~12歳)が
授業についていけるかどうかを判別するための道具として開発したものだそうです。

1916年にアメリカのターマンがこのビネーの検査に「精神年齢」「知能指数」といった概念を
取り入れたのが「スタンフォード・ビネー式」です。

この時代は知能を「一次元の能力」としてとらえていました。

どういうことかというと「知能が高ければ知的作業に関しては優れている」
仮定されていたのです。

しかし、時代が進むごとに知能のとらえ方が変わってきます。
最近になって「知能は様々な能力の総体である」と考えられるようになってきました。



ウェイクスラー式知能検査

このような知能のとらえ方の変化により1939年に「ウェイクスラー式知能検査」が生まれました。
これは成人向けの個別式知能検査です。

ビネー法学童を対象としたもので、成人を対象とした場合には知能年齢や従来の知能指数は
正確な指標にならないため「ウェクスラー式知能検査」を開発したという経緯があります。

その後、小児向けの「WICS」という検査法や幼児向けの「WPPSI」が開発されました。

 

IQの種類と算出法

知能検査の結果を表す指標を「知能指数」(Inteligence Quotient:IQ)といいます。
このIQには「比率IQ」「偏差IQ」がありそれぞれ算出方法が異なります。

以下にそれぞれを紹介したいと思います

比率IQ

比率IQは検査成績から「精神年齢」※1を算出し、これを「生活年齢」※2で割って100を掛けます。

該当年齢の平均的な成績をとればIQ:100となります。

これはビネー式で採用されているもので、年齢ごとに並べられた課題に取り組み、
その「精神年齢」と「生活年齢」を用いて算出します。

実年齢より上の年齢の課題も解けているとIQが上がることになります。
また逆に実年齢より下の年齢の課題ができなければIQが下がります。

※1(その成績が何歳何ヵ月か程度の水準に該当するかの指標)
※2(暦年齢ともいい、誕生した日から数える暦の上での年齢のことを指す)

偏差IQ

偏差IQは平均が100、標準偏差が15になるように作成されています。

理論上85~115の間に約67%になり、70~130の間に95%の人が収まるようになっています。

偏差IQはウェイクスラー式で採用されており、同じ位の年齢で大勢の人に検査を実施し、
得点分布を想定しその分布の中でどこにあたるかを示す指標になります。



まとめ

今回は知能検査について書かせていただきました。

IQは同年代でも生活環境、教育歴でも変化することが分かっています。
一概に遺伝のみに由来するものではないそうです。

IQが高ければ「頭が良い」という解釈より、平均値と比較しどれだけ違いがあるのかを
はかる尺度と解釈した方がいいかもしれません。

検査の対象者が平均値と比較し差が出た場合にはなぜそのような差があるのかを
考える必要があると思います。
そのための前提として得点の変動要因である生育歴などを詳しく知る必要があります。

知能検査だけで判断するというよりも、様々な検査などを行い
総合的に判断する必要がありそうです。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。