脳神経画像検査について作業療法士が解説




 

こんにちは。作業療法士のトアルです。

今回は「脳神経画像検査」について解説させて頂きたいと思います。

医療現場ではCTやMRIなど画像をみながら診断を行うことが常識になっています。

では、この画像診断なんのために行うのでしょうか?

急性期の場合は画像は取られていることが日常的になっていますが、
この画像診断、なぜ行うのかを改めて知ろうというコンセプトになっています。

 

画像診断の意義

「脳神経画像検査」の最大の意義は「脳の形や働きを実際に見る」ことです。

脳の働きを実際に見ることで対象者の障害を理解することができます。

心の動きと脳の働きには深い関係があるのではないかというのは昔から言われてきました。
しかし、当時は実際の脳の形や構造を調べるには動物や死後の脳を解剖するしか手段はありませんでした。

時代を追うごとに科学技術・医療が発達し脳の仕組みが明らかになってきています。

当時は「心と脳は関係があるかもしれないという」推測が
正しいと証明され始めてきたのです。

科学技術の発展により、生きている人間の脳を撮影する技術が確立されてきました。

今まで、死後の解剖でしか分からなかったことが
生きたままでリアルタイムに分かるようになってきたのです。

 

脳神経画像検査の種類

脳神経画像検査は大きく2つに分けることができます。

1つ目は「構造神経画像」2つ目は「機能神経画像」です。

以下の記事ではそれぞれについて説明をしていきます。

 

構造神経画像検査について

「構造神経画像検査」とは「脳の形」つまり「脳の形態や構造」を見るための検査です。

これにはコンピューター断層撮影の「CT」と核磁気共鳴撮影である「MRI」があります。

どちらも、体の断面図を映し出しますが、「MRI」は一方向ではなく
あらゆる角度からの脳画像を見ることができるのが特徴になります。

 

機能神経画像検査について

「機能神経画像検査」とは「脳の働き」を見るためのものです。
つまり「脳の活動状態や機能」を空間的に見るための検査になります。

これには、陽電子断層撮影の「PET」や単光子断層法の「SPECT」などがあります。

近年では機能的核磁気共鳴画像法「fMRI」「脳の構造と機能」の両方の情報が得られる
メリットがある検査方法です。

 

急性期における画像診断の意義

急性期で画像を読み解けるようになるとリハビリ介入前に対象者の障害像を
ある程度予測することができるようになってきます。

例えば、血腫が大きいから運動麻痺はかなり出るだろうなとか、
逆に梗塞巣はたくさんあるけど小さいから麻痺の影響は少ないだろうなとかです。

実際に行ってみると予測と違うこともありますが、事前に推測をすることで
リハビリプログラムを大まかに立てる事が出来ます。

1から10まで検査を行う必要もありませんし、
必要な項目だけ評価を行えばいいので時短にもなります。

予測と違えばそれを修正すればいいだけですしね。

 

作業療法と脳神経画像検査

私自身の個人的な見解になりますが、作業療法が有効であるというエビデンスを出すには
脳神経画像がキーになるのではないかなと考えています。

例えば、何らかの作業をしている時の脳の状態を経時的に追うことができれば、
観察などから得られる対象者の評価に科学的な根拠を付け加えることができるからです。

しかし、画像検査を行うには費用も掛かりますし、作業中の姿勢で脳神経画像検査が
行えるかというと技術的に難しいという壁もあります。

科学技術が発展し、もっと安価に手軽に行える検査ができる事を願っています。

 

まとめ

今回は「脳神経画像検査」について解説させて頂きました。

概要になりましたが、できるだけ分かりやすくまとめてみました。
実際の画像の見方については、今後記事にするかもしれません。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。