ネガティブな発言は言っても良い!




こんにちは。作業療法士のトアルです。

今回は「ネガティブな発言は言っても良いか?」についてです。

このブログでも今まで何回か取り上げた取り上げたことがあります。

なぜこのテーマを取り上げたかというと、私自身がネガティブなことを言うのも
あまり好きじゃないですし、いつもネガティブなことばかり聞いていると、
対応するのが心底面倒くさいし、こちらの気持ちが本当に滅入るからです。

私の職場でも相手の都合はお構いなしで愚痴や陰口などネガティブな話
ばかりきかせる人がいます。

そういう人が近くに来たら私は逃げるようにしています。

ネガティブな発言は言っても良い!

一般的にネガティブな感情は持ってもいけないし、ネガティブな発言も言ってはダメだとされていますが、
「ポジティブ心理学」の分野ではそういった感情を持っても言っても良いとされています。

なぜかというと「ネガティブ」な感情や発言を極端に禁止すると
大きいストレスが自分に降りかかるからです。

本当の自分の感情を隠しきることは大きなストレスがかかります。

ストレスが溜まると「コルチゾール」というホルモンが体内で増加します。

「コルチゾール」は副腎皮質から放出されるステロイドホルモンで、
ストレスとの関連では最もよく研究されているバイオマーカーです。

この「コルチゾール」の何が問題かというと、
長期間にわたって過剰に分泌された場合に、脳の海馬を委縮させることや、
炎症のコントロールを悪くすることがわかっています。

また、うつ病の患者さんではコルチゾールが高いことも報告されています。
つまり「コルチゾール」はストレスと身体的・精神的健康の指標となる
重要なホルモンといえます。

ストレスは短期的には耐えることも可能かもしれませんが、長期間になると
いつか心身の問題として悪影響がでてくる可能性が高いのです。

ストレスからくるコルチゾールの増加を防ぐためにも、
ネガティブな発言はしてもいいし、時には愚痴ったっていいわけです。

ただし、この「ネガティブ」な発言、言っても良いのですが守るべき条件があります。

それは、この「ネガティブ」な発言を言った後に「ポジティブ」な発言も言う
必要があるということです。

このとき、大切なのは「ポジティブ」な発言と「ネガティブ」な発言の「割合」です。

「ポジティブ心理学」には「ポジティブ・ネガティブ比」という
考え方があります。

「ロサダの法則」とは?「ポジティブな感情:ネガティブな感情=3:1」

2005年に心理学者のバーバラ・フレデリクソン博士とマーシャル・ロサダ氏によって
「人間が幸福を感じる転換点は、ポジティブな感情とネガティブな感情の比が2.9013のバランスにある」
という論文が発表されました。

おおよその数字になりますが、比率でいうと
「ポジティブな感情:ネガティブな感情=3:1」
ってことになります。

これを別名「ロサダの法則」といいます。

もう少しわかりやすく言うと、
「ポジティブ」な感情が「ネガティブ」な感情よりも約3倍多い人の方が
「元気で幸せでいられる」ことがこの論文の結果から導き出されています。※1

※1:この数値の算出方法に関してはやや理論的ではないという批評もあります。

 

それでもネガティブな感情になった時の対処法

ネガティブな感情をダメだと思いながらネガティブな発言を使うと
どうなるかというと、余計に悪循環に陥ってしまいます。

アメリカの最新の心理学ではネガティブな発言をすると「幸福度」が下がると言われており、
反対にポジティブな発言をすると「幸福度」が上がると言われています。

これを「アファメーション」といいます。

 

言葉は人間の「感情」を支配する

ある心理学の実験で、俳優の卵を集めて悲惨な役を演じさせ、その時のストレスの度合いを
計測してみるという実験が行われたことがあるそうです。

そうすると、数時間の演技をしただけで、血中のストレスマーカーが増加したという結果が出たそうです。

演劇なので実際にそれが現実として起こったわけではないのですが、
ネガティブな場面を想像したり、言ったりするだけで身体はストレス反応を示す可能性があるのです。

しかし、人間である以上ネガティブな感情はつきものです。

そういう場合はどう対処すればいいのでしょうか?

 

ネガティブな感情が収まらないときの対処法

どうしてもネガティブな感情がおさまらない、あるいはネガティブな発言を
してしまったという場合には、意識的にポジティブな発言をしてみるようにします。

例えば、
「あの人は愚痴が多くて嫌だ」というネガティブな発言をしてしまった場合、
ポジティブな面である「行動力はある」や「人の情報をたくさん知っている」
「物怖じしない」などいい所をさがして言ってみるようにします。

1回のネガティブな発言に対して、3回のポジティブな発言で中和するようにします。

3つも見つからないよっていう場合は、いい所を1つ見つけ
それを3回言うだけでも効果があると言われています。

あまり好きじゃない人の良い所を見つけるのって結構大変ですが、
慣れてくると人間観察力も上がってくると思います。

セラピストっていう職業柄のせいか、何かと問題点ばかりに目が行きがちですが、
こういうポジティブな視点を持つというのは大切だと思っています。

 

まとめ

今回は「ネガティブな発言は言っても良い」について記事にさせて頂きました。

人間である以上、ネガティブな感情や発言はつきものです。

それに対し自分がどう思い、どう対処していくかについて1つの方法として
書かせていただきました。

長々と駄文になりましたが、お付き合い頂きありがとうございます。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。