レジスタンストレーニングの3原理と5原則について作業療法士が解説




こんにちは。作業療法士のトアルです。

前回は「レジスタンストレーニングの目的」について解説させていただきました。

で、今回はその続きである「レジスタンストレーニングの3原理と5原則」について
解説しようと思います。

目的や原理を知らないと自分が何のために、
このリハビリのプログラムを行っているのか分からなくなってしまいます。

基本的な知識をしっかり押さえることで、後輩や実習生を指導できるように
なるのではないかなぁと個人的には思います。

知識を整理することで、結局は自分自身のためになりますしね。
コツコツ努力をつめばいつかは報われると信じてます。

前置きはこれくらいにして、「レジスタンストレーニングの3原理と5原則」について
解説していきます。

レジスタンストレーニングの原理

レジスタンストレーニングの効果を得るには、以下の「3つの原理」「5つの原則」に従って
プログラムを組んでいく必要があります。

【レジスタンストレーニングの3つの原理】

1.過負荷の原理
2.特異性の原理
3.可逆性の原理

「原理」についてはこの3つがあります。

「原理」とは根本的な法則や規則のことです。
トレーニングの3原理は、トレーニングで身体に与える影響の根本的な法則になります。

また、原則には以下のようなものがあります。

【レジスタンストレーニングの5つの原則】

1.転移の原則
2.自覚性の原則
3.漸新性の原則
4.適合性の原則
5.継続性の原則

「原則」とは基本的な決まりごとのことでルールのようなものです。

トレーニングの5原則は、3つの原理をもとに実際にトレーニングを行う時の
守るべきルールになります。

以下に詳細を説明していきます。

トレーニングの3原理

【レジスタンストレーニングの3つの原理】

1.過負荷の原理
2.特異性の原理
3.可逆性の原理

それでは、3つの原理について説明していきます。

1.過負荷の原理

トレーニングの効果を得るためには、既に持っている能力を刺激する負荷が必要です。

この時の負荷を「至適強度」といいます。

「至適強度」でトレーニングを続けることにより、効果が表れます。
つまり、楽な負荷でやっても意味はなく、ある程度の負荷を掛けないと
効果は表れないということです。

2.特異性の原理

トレーニングはその種類によって鍛えられる機能が変わってきます。

例えば、ハーフスクワットやトゥーレイズでは上半身のトレーニングにはなりませんし、
腕立て伏せやダンベルを手で持ち上げるなどでは下半身のトレーニングにはなりません。

どこの筋をターゲットにしたいのかを決めてトレーニングの種類を選ぶ必要があります。

3.可逆性の原理

一定期間トレーニングを実施してその効果が得られても、
トレーニングを止めてしまうと、体は元に戻ってしまいます。

継続が大事なのはせっかく鍛えても、続けなければ元に戻ってしまうからなんですね。

 

トレーニングの5原則

【レジスタンストレーニングの5つの原則】

1.転移の原則
2.自覚性の原則
3.漸新性の原則
4.適合性の原則
5.継続性の原則

それでは、5つの原則について説明していきます。

1.全面性の原則

基礎体力(筋力、筋持久力など)を、全体的に高めるトレーニングを
行なうことを「全面性の原則」と言います。

トレーニングをする際は、上半身だけや下半身だけというようにするのではなく、
バランスよく鍛えることが大切です。

偏りのある体では、怪我や技術レベルの低下にも繋がってしまいます。

特異性の原理とは反対のことを言っているように聞こえますが、
まずは基本は全面性の原則で全身をまんべんなく鍛えて、必要な部位を特異性の原理に沿って
トレーニングしていきます。

2.自覚性の原則

トレーニングを行う場合は、鍛えている部位や自らの意志で行っていることを「意識すること」
トレーニングの効果が向上します。

3.漸進性の原則

ある一定期間トレーニングを続け体力が一定の水準に達すると、
同じ負荷でそれ以上続けても効果が現れなくなります。

そのために、体力の向上に従い負荷も徐々に(漸進的に)上げていく必要があります。

同じ負荷で同じ回数を続けても、体が慣れてしまい、いくらトレーニングを行なっても
体に変化が起こらなくなります。

そこで、体が負荷に慣れたら今までの負荷(重量)よりもさらに負荷を上げることで、
また筋肉は大きくなって行きます。

このように、負荷に慣れたら負荷を上げることを繰り返し、
少しづつ扱える重量や回数を増やして行くことを「漸進性(ぜんしんせい)の原則」と言います。

筋肥大にはとても重要なことです。

4.適合性の原則

人はそれぞれ体力が違うため、同じトレーニングメニューを与えるのは良くありません。
理由としてはケガをしてしまう可能性があるためです。

個人の能力やレベルに合わせたトレーニングメニューを行う必要があります。
個人の年齢・性別・体力水準などに応じて負荷を決めることが大切です。

5.継続性の原則

トレーニングは継続的に行なうことでその効果が得られるという原則。

目に見える効果を得るには単発的なトレーニングでは得られず、
長期間にわたり続ける事が大切です。

 

まとめ

今回は「レジスタンストレーニングの3原理と5原則」について記事にさせて頂きました。

次回は「レジスタンストレーニングの筋収縮様式」についての
記事を書こうかなと思っています。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。