こんにちは。作業療法士のトアルです。
皆さんは人間関係を良くしたいと思ったことはあるでしょうか?
そういう思いがあれば、是非やってほしいことがあります。
それは「人をほめる」ことです。
では、なぜ「ほめる」ことで人間関係が良くなるのでしょう?
その秘密を知りたくないですか。
気になる方はぜひ読み進めて下さい!
人を「ほめる」と好かれるようになる理由
人は潜在的に「自尊心を満足させたい」と思っています。
具体的にどういうことかというと、自分の意見への賛成、提案の支持、
自分が行った行動をほめられたりする場合です。
自分に当てはめて考えてみましょう。
例えば、会議やミーティングで発言を求められたときに自分が発言したことに対して
「それはいい考えだね!今度それをやってみよう。」
「よく気付いたね。目の付け所が違うな。」
というような称賛を受けるとどうでしょう?嬉しくなりませんか?
これは、自尊心が満たされ、自分の中で大きな満足感が得られている状態と考えられます。
このように、人間関係によって満足感がもたらされることを「社会的報酬」とよびます。
報酬と言うと金銭的なものを考えてしまいますが「社会的報酬」は違うのです。
人間関係の中で認められたり、注目されたり、尊敬されたりすることをいいます。
「好意の返報性」について
人は、自分のことを好いてくれたり、認めてくれたり、高く評価してくれたりする人を
好きになる傾向があります。
これを「好意の返報性」といいます。
つまり「自分に好意を持っている人に対して好意を抱きやすい」という心理が働くのです。
「ほめる」という行為は、それだけで相手の自尊心を満たす行為なんですね。
そして「ほめる」という「社会的報酬」をもらった人は「好意の返報性」に従って、
報酬をくれた相手に「社会的報酬」を返そうとするのです。
ほめる行為は本当に効くのか?
この記事を読んでいる人には
「ほめることが本当に効果があるのか?」
と懐疑的になる人もいると思います。
人によっては、ほめても軽く流す人もいます。
「いや、ほめすぎですよ~。」
「照れちゃうんで、もう勘弁してくださいよ。」
といった風にです。
ほめたことを流されると「あれ、ほめなければ良かったかな?」と不安になりますが
実は無意識に働きかけ、相手の行動を変えるほどの効果があるのです。
この効果を示すための実験がアメリカのホリンズ・カレッジという大学で行われました。
その実験というのは、キャンパスを歩く女性のうち、「青っぽい服」を着ている人だけを
「よく似合うね」とほめる事でした。
しばらくの期間「青い服」を付けている女性だけをほめるようにしたそうです。
すると、実験を開始する前は25%の女性しか「青い服」を着ていなかったのに
それが38%まで上がったそうです。
その女性たちは自分で影響を受けているつもりはないのに、
「ほめられる」ことで無意識で青い服を好むようになった のです。
つぎに「赤い服」を付けている女性に対して同様の実験をしてみました。
すると、実験前は「赤い服」を好む女性は11%であったのに対して、
実験後は22%へと増加したそうです。
このように「ほめる」ことは、かなりの影響力を持っていることが考えられます。
まとめ
人に好かれるには「ほめる」方が有効であることについて書かせていただきました。
いかがでしたでしょうか?
人は心のどこかで「自分を認めて欲しい」という欲求があります。
それを満たすことができれば相手を満足させることができるはずです。
そして、それを行う手段が「ほめる」という事なのです。
「ほめる」ことは難しそうですが、それはただやり慣れていないだけではないでしょうか?
リハビリに関わる方であれば患者さんに「正のフィードバック」をすることはあると思います。
これも一つの「ほめる」行為です。
患者さんだけでなく相手を「ほめる」ことは職場の人間関係を円滑にするため
にもとても必要なことだと思います。
これは実習生やバイザーの関係性でもそうです。
相手の良い所を見つけ、それを言葉にして「ほめる」だけでも効果はあると思います。
ある研究では何らかの習慣が身につくのに18日(約3週間)かかるそうです。
まずは18日(約3週間)続けてみてはどうでしょうか?
今回はこのへんで。
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。