PLT(血小板とは何か?) リハビリで知っておきたい症状と対応




こんにちは。作業療法士のトアルです。

皆さんは、PLT(血小板)のことはご存知でしょうか?
血小板は血管が傷ついた時に止血するという大切な役割を持っています。

この値が低いと、出血が止まらず末梢組織まで酸素や栄養が届かなくなり
恒常性を維持することができなくなってしまいます。

今回は「PLT(血小板)」について解説しようと思います。

血小板の役割

血小板は、血液の成分の一つで、血管の損傷に反応し、出血を止める働きをします。
怪我をしたあとに自然に血が止まるのは、この血小板が働いているためです。
血管が損傷されると、血小板が集まってきて修復していきます。

血小板は骨髄や肝臓でされるため、止血機能を評価するだけでなく
肝疾患・血液疾患の診断の指標にもなります。

PLT(血小板)が高値のときにどうするか?

PLTが高いと「血栓の形成」がみられます。
高値となる機序として、骨髄などの造血幹細胞から血小板へ分化が亢進することが考えられます。

原因としては、
・外傷や手術後
・慢性感染症
・炎症
・膠原病
・鉄欠乏

などがあげられます。

PLT(血小板)が高値のときリハビリ介入前に確認しておくこと

リハビリ介入の可否ですが、高値の場合では特に対処することはないようです。

ただし、感染症の可能性もあり、WBC(白血球)・CRPが増加していないかなど
他の検査値を確認する必要があります。

血小板の数が過剰になると、血液が固まりやすくなり血栓ができやすくなります。
それが、血管をふさぎ、脳梗塞や心筋梗塞などの危険性が高くなるといわれています。

 

PLT(血小板)が低値のときにどうするか?

PLT(血小板)が低いと「出血傾向」が生じます。

つまり、止血機能が低下してしまうため、出血しやすい状況になります。

そのため、少しのことで青あざができる、出血が止まりにくくなる、
鼻血が出やすいなどの症状がみられます。

低値となる機序としては、
・骨髄での血小板の産生が低下する場合
・末梢での好中球の消費が大きくなっている場合
・脾臓での血小板の破壊が亢進する場合

が考えられます。

原因としては

・血液の腫瘍
・感染症
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
・微小血栓の形成
・骨髄への浸潤
・肝硬変

などがあげられます。

 

PLT(血小板)が低値のときリハビリ介入前に確認しておくこと

リハビリ介入の可否ですが、リハビリの初回介入の場合は医師に確認が必要になります。
特に、急性出血などがある場合は注意が必要です。

血小板の値が急激に低下している場合、貧血を伴っている可能性があり
頻脈に注意してください。

介入前のイメージとしては、

という感じです。

特に気を付けていて欲しいのが、がんの患者さんではPLT(血小板):2.0×104/μL以下では
リハビリが禁忌
となります。

 

まとめ

血小板(PLT)が低値の場合は止血の能力が落ちているため、
物にぶつかりやすい狭い場所に気を付ける必要があります。
ベッドサイドの環境設定を見直すようにしてもいいかもしれません。

補足になりますが、止血作用のある組織は血小板だけでなく他の凝固因子も絡んできます。

そのため、血小板(PLT)の増減だけでは抗血小板薬や抗凝固薬の
薬効のモニタリングにはならないそうです。

今回は、「PLT」についてのリハビリ介入ポイントについて説明させていただきました。
皆さまのご参考にしていただければ幸いです。