リハビリの実習・職場では「報・連・相」が大事!




こんにちは。作業療法士のトアルです。

前回は「リハビリの実習・職場で人間関係を円滑にする方法」として記事を書かせて頂きました。

人間関係を円滑にするために必要なのは、コミュニケーション能力の向上です。

その中でも、「報・連・相」を上司・バイザーの先生にしっかりと行うことで、
人間関係を円滑にすることができます。

そもそも「報・連・相」ってなに?

「報・連・相」と言う言葉が生まれたのは、1982年のことです。
山種証券社長の山崎富治氏が思いついたのが始まりといわれています。

当初の目的は
「報告・連絡・相談が出来る風通しの良い職場環境を作ろう」
と言うものでした。

今では、この言葉の意味も変化してきており、集団としてのパフォーマンスを
向上させるために「報・連・相」をしよう、という考え方になってきています。

では、仕事・実習を円滑に行うために「報・連・相」をどのように行えばよいのでしょうか?

今回の記事では「報・連・相」についてお伝えしようと思います。

 

「報告・連絡・相談」の意味について

「報・連・相」を上手に使いこなせば、集団での業務を円滑に行う事ができ人間関係も円滑にすることができます。
それぞれの意味や使い方を把握して使いこなせるようにしましょう。

『報告』
上司やバイザーの指示に対して、部下(学生さん)が
「結果や作業経過を報告する」ことです。
カンファレンスなどでリハビリの進捗状況や対象者の状態のことを伝えるのは報告に含まれます。

『連絡』
関係者に、簡単に業務・作業情報を知らせることです。
自分の意見や憶測は排除して、事実のみを要点を絞り判りやすく伝えることが大切になります。
上司やバイザーと部下(学生さん)の関係にのみではなく、発信・受信を他職種にも行う必要があります。

『相談』
部下や学生さんが、作業の過程で困った時・迷った時など、上司・バイザーに参考意見を求める事を言います。

「報・連・相」で話す事を明確にする

時と場合によっては、「報・連・相を行う」ことを重視し過ぎてしまい
失敗してしまうことがあります。
例を上げてみると

・「報・連・相」を重視し過ぎて、自分で考えず全てのことに指示を求める。
・「報・連・相」の内容がまとまっておらず、伝えたいことがわからない。
・伝えなければいけない人ではなく、話しやすい人に伝えてしまい「報・連・相」の目的が達成していない。
・忙しい時に、長時間報告してしまう。

などです。

これらの失敗を避けるために重要となるのは

1.「目的」
2.「対象」
3.「内容」

の3つになります。

1.「目的」を明らかにする

なぜ、その「報・連・相」が必要なのかを考えます。
・事実の報告が必要。
・仕事を行う中で、自分で気づいた事に対する意見を伝えたい。
・自分の意見に対する意見やアドバイスが欲しい。
・作業の進捗状況が不安なため、確認を行いたい。

など、目的を明確にすることで、伝える内容を判りやすくできるのです。

2.「対象」を明確にする

だれに伝えるのかを明確にしていきます。

・伝える相手(上司・バイザー・他職種など)
・どのような場で報告するのか?(口頭・院内メールなど)
・伝える相手の都合は悪くないか?

などです。

これらは、伝える方法を検討するもので、適切な方法を選択します。
内容が緊急であれば直接伝えますし、そうでなければ院内メールでもいいかもしれません。

内容によって優先順位をつける必要があるんですね。

3.「内容」を整理する

「目的」と「対象」が決まったら、最後に「伝える内容」を整理します。

長々と自分の言いたい事を話し続けては、仕事を円滑にするための「報・連・相」ではなくなります。

話が長くなるほとんどの場合は自分の憶測が入っていることが多いのです。
そうならないために伝える内容は分かりやすく要点を踏まえる必要があります。

分かりやすく伝えるには「事実報告」と「自分の意見」を分けます。
まず、「事実報告」であれば、結果を伝えてからそれが起きた経過について報告するようにします。

自分の意見を伝える場合、「結果」→「自分の意見」→「なぜ自分の意見が生まれたか」
の順番に伝えることが必要です。

上手く「報・連・相」を行うための3つのポイント

「報・連・相」はただ行えばよいわけではありません。
やり方ひとつで「仕事が出来る・出来ない」が判断されてしまいます。

上手に「報・連・相」を行うために、
以下の3つのポイントをしっかり押さえましょう。

1.適切なタイミング

「報・連・相」は、相手から要求されてから行えばよいものではありません。
状況に応じて、自分で必要だと感じた際に報告することが大切なんですね。
タイミングがとても重要なのです。

たとえば、これらの時には必ず必要です。

1. 指示された作業が終了した。
2. 期間が長くなる作業のときには、定期的に進捗状況の報告を行う。
3. 作業の変更が必要となったとき。
4. 何らかのミス・トラブルが生じたとき。

「報・連・相」を行わない人の中には、自分のミスを伝えたくないためと言う人もいますが、
このときこそ「報・連・相」が必要なタイミングなのです。

なぜなら、早めに「報・連・相」を行っておけば、傷が浅いうちに
ミスを改善でき、改善するための指導を受ける事もできるからです。

ミスやトラブルなどの、報告しづらい事こそ報告することが必要なのです。

2.報告手段を考える

報告には「口頭報告」「記述報告」の2つの手段があります。

内容が複雑で、関わる人の数が多いなら「記述報告」が必要となってきます。
「記述報告」の場合は、資料を用いるなど相手に分かりやすく
伝えることを心がける必要があります。

「記述報告」は関わる人全てに理解できる内容でないと意味がありません。
分かる人を基準にしての資料では報告書としては不十分になります。

一方、容易に内容が伝わるなら「口頭報告」で大丈夫です。
わざわざ文章を書いて手間・時間をかける必要はないからです。

至急伝える必要がある・至急意見を貰う必要がある場合も口頭で行います。
また、伝えづらい内容こそ口頭で伝えましょう。

「叱られるのではないか」という不安や恐怖はありますが、
伝えにくい事だからこそ誠意を見せる事が必要な事もあるのです。

3.正確な情報を、迅速に伝える

報告する内容を自身でしっかりと把握する必要があります。

伝える本人が伝える内容を把握していなければ、
必要な事を伝える事はできません。

逆に、周囲を混乱させてしまう可能性があります。

伝えることを自分でまとめきれていないなら、
報告のために何が必要であるかを考えて情報収集も心がける事が大切です。

 

まとめ

人間関係を円滑にするにはコミュニケーションが大事です。
人に情報を伝える時に、どうすれば上手に伝える事ができるのか?

実はそれが出来ていないから、上司やバイザーに嫌な対応をされていることがあります。

そのため、普段から自分が伝えたいことをどのように伝えるかを常に意識する必要があります。

上手く出来なかったなと思ったなら、反省して原因を徹底的に分析して、
改善するための方法を繰り返し試行していきましょう。

これができるようになれば、相手の態度も変わってくることがあります。

人の行動を変えることは難しいです。
しかし、自分を変えることはできるはずです。

長文にお付き合いいただきありがとうございます。

この記事がお役に立てれば嬉しく思います。