こんにちは。作業療法士のトアルです。
前回は「レジスタンストレーニングの3原理と5原則」について解説させていただきました。
で、今回はその続きである「レジスタンストレーニングの筋収縮様式」について
解説しようと思います。
国試の時は覚えてたけど、年数が経つと忘れやすいですよね。
後輩や実習生に説明するときに「あれ、なんだっけ?」となりかねないです。
「忘れちゃったから、後で調べてみて!」はちょっとカッコ悪いですよね。
聞かれてサッと答えられれば、「できる先輩」を演出できるかもしれません(笑)
…まぁそれは冗談として、理屈を持った説明ができることで、
信頼を得ることもできますし、後輩もちゃんと勉強しなきゃと
自発的に学んでくれる効果が期待できると思います。
前置きが長くなりましたが、「レジスタンストレーニングの筋収縮様式」
について解説していきます。
Contents
筋収縮様式とは?
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筋収縮には様々な種類があり、その特徴ごとに分類されています。
この筋収縮の種類を「筋収縮様式」と呼びます。
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筋収縮様式を知ることは、筋力増強や筋のパフォーマンスを改善する上で重要になります。
これは健常者や入院患者さんを対象とする場合でも変わりません。
特定の収縮様式で行なったトレーニングは、その収縮様式で行った筋しか
増強させないと言われています。(これを特異性の原理といいます)
臨床で共通してよく使われるのは4つの収縮様式です。
「等尺性収縮」
「求心性収縮」
「遠心性収縮」
「等速性収縮」
の上記の表の分類の最後の所になります。
ここは、最低限でも覚えてないといけない所だと思いますので、
それぞれの筋の収縮様式の分類や種類・特徴について説明していきます。
関節運動の有無による分類
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まず、初めに知っていて欲しいのは「関節運動があるかないか」です。
まずはこの2つの分類から覚えていきましょう!
静的収縮 static contraction
「静的収縮」は関節運動を伴わない筋収縮になります。
例を上げると、手に重錘を持って肘関節を一定の角度に保っているときの
上腕二頭筋の収縮様式が「静的収縮」になります。
静的収縮の種類には「等尺性収縮」があります。
動的収縮 kinetic contraction
「動的収縮」は関節運動を伴う筋収縮です。
例を上げると、手に重錘を持って肘関節を完全伸展位から90°屈曲させてきたときの
上腕二頭筋の収縮様式が「動的収縮」になります。
動的収縮はさらに「等張性収縮」と「等速性収縮」に分けられます。
静的収縮の種類
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再度説明しますが、「静的収縮」は関節運動を伴わない筋収縮になります。
等尺性収縮 isometric contraction
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「等尺性収縮」は筋の長さを変化させない筋収縮です。
そのため、関節運動も生じず静的収縮に分類されます。
例を上げると、壁やバーベルなどを肘関節の角度を一定に保ちながら押した場合、
上腕三頭筋の収縮様式は等尺性収縮になります。(上記の静的収縮の例と同じです)
また、重錘などを肘関節の角度に一定に保ち、保持している場合は
上腕二頭筋の収縮様式は等尺性収縮になります。
急性期リハビリでは骨折後のギブスやシーネ固定中など、
関節運動が禁忌になっている場合にこの筋収縮を用いて訓練を行うことがあります。
筋肥大に効果的とされていますが、血圧上昇効果があるため、
心疾患が既往にある場合には注意が必要です。
動的収縮の種類
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再度説明しますが、「動的収縮」は関節運動を伴う筋収縮です。
等張性収縮 isotonic contraction
等張性収縮は筋の張力※1を変化させない筋収縮です。
関節運動を伴うので動的収縮に分類されます。
ただし、人においては関節角度よって筋の張力は変化してしまうので
厳密な意味での等張性収縮は起こらないとされています。
一般的な筋力増強はこの筋収縮で行われます。
等張性収縮は以下のように2つの収縮様式に分類できます。
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求心性収縮 concentric contraction
求心性収縮は筋の長さが短縮する筋収縮です。
例を上げると手に重錘やゴムチューブなどを持ち、肘関節を完全伸展位から
90°屈曲させてきた場合の上腕二頭筋の収縮様式は求心性収縮です。
(上記の動的収縮の例と同じです)
遠心性収縮 eccentric contraction
遠心性収縮は筋の長さが伸びる筋収縮です。
例を上げると、階段を降りる時の支持側の大腿四頭筋の収縮様式などは
遠心性収縮になります。
等速性収縮
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「等速性収縮」は関節運動が一定の速度で生じる筋収縮です。
この収縮様式は関節運動を伴うので動的収縮に分類されます。
利点としては過剰な負荷にならず、筋の負担を軽減しながら
筋力増強を図ることができます。
しかし、生体内で一定の運動速度を維持することは困難です。
日常生活動作では、この収縮様式を行えないためそれなりの運動機器が必要になります。
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まとめ
今回は「レジスタンストレーニングの筋収縮様式」について
記事にさせて頂きました。
冒頭でも上げましたがまとめると以下のような図になります。
![](http://toaruot.com/wp-content/uploads/2018/10/ed39d4d51875cda9b228856d055e53b8-1024x465.png)
筋収縮様式を理解するポイントとして、まず「静的収縮」と「動的収縮」を覚えます。
そして、関節運動の有無を覚えた後は
「等尺性収縮」や「等張性収縮」「等速性収縮」があることを覚えていきます。
最後に等張性収縮には求心性収縮や遠心性収縮があるという
順番で覚えていけば整理がつきやすいかなと思います。
冒頭でも説明しましたが、臨床で共通してよく使われるのは、
「等尺性収縮」
「求心性収縮」
「遠心性収縮」
「等速性収縮」
の4つで上記の表の分類の最後の所になります。
ここは、最低限でも覚えてないといけない所だと思いますよ。
私たちは日常生活では様々な収縮様式を活用して動作を行なっています。
特定の収縮様式でのトレーニングは,その収縮様式のパフォーマンスでしか
向上させることができません。
そのため、対象者の動作の何が不十分なのか、
それを改善するにはどのような筋の収縮様式が必要なのかを判断する必要があります。
リハビリでの訓練はそれに筋収縮様式でプログラムを組むことが大切です。
次回は、「レジスタンストレーニングの効果」について
記事を書こうかなと思っています。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。