セラピスト(理学療法士・作業療法士)が給料を上げるにはどうするか?




こんにちは。作業療法士のトアルです。

今回は「セラピスト(理学療法士・作業療法士)が給料を上げるにはどうするか?」について
記事にさせていただきたいと思います。

私は作業療法士の資格を取って5年になります。

今まで記事を読んでいただいている、皆さんと同じように多くの勉強会に参加し、
自分の知識・技術や専門性を高めようと必死でした。

しかし、ある日、ふと気付きます。
「こんなに勉強しても給料は上がるのか?」
ということです。

皆さんもご承知の通り、リハビリ職は診療報酬によって報酬が支払われる仕組みです。

なので、臨床経験十数年のベテランの方がリハビリしても、1年目の新人さんがリハビリをしても
報酬はまったく変わりません。

勉強を一生懸命にしていたセラピストほど疑問を抱くようになります。
「勉強して、治療技術を高めて一体どうなるの?」って思うようになります。

もちろん、勉強して高めた知識や技術を患者さんに提供できるのは望ましいことですが、
一方で「努力した分の見返りが自分にあるのか?」ということを考えてしまうようになるのです。

リハビリ職の従来のキャリアUP

従来のリハビリ職のキャリアUPの方法は以下の3つといわれています。
これらは、経験と勉強を重なねることが必要になります。

1.起業・開業する
2.研究者・臨床家としての名声を得る
3.管理職になる

1.起業・開業する

まず、1つ目は勉強して治療技術を高めて個人で起業・開業するという方法があります。

しかし、開業・起業には様々なリスクがあり、起業・開業しても経営が上手くいかなければ、
あっという間に潰れてしまいます。

経営を上手く行うには、マネジメントやマーケティングなどの分野の勉強が必要になります。
いくら持っている治療技術が高くても、それを宣伝し、多くの人に知ってもらわないと
お金を得るための集客ができないんですよね。

理学療法士・作業療法士は開業権を持たないので整体院として開業する事になります。
ですが整体院の数はかなり多く、コンビニの数よりも多いとされています。

その中で勝ち抜くのは厳しいのではないかと思います。

起業しても絶対に成功するという確証はありませんし、仮にうまくいっても
下手をすれば、今より激しい激務が待っている可能性が高いのです。

給料が上がっても、結局は激務で今より忙しいとなると、自分の自由になる時間は減り、
家族がいる方はその大切な時間を削ることになります。

単純に収入が増えれば、幸せになれるのかは微妙な所です。

仕事をすることが最高の幸せだと言う人は良いとは思います。
ですが、家族と過ごす時間や自分の時間を大切にしたい人には向かないのではないでしょうか。

2.研究者・臨床家としての名声を得る

2つ目にリハビリ分野の特化した研究で論文を発表し名声を得る方法もあります。

しかし、実際にその分野で突き抜ける存在になるには、相当な労力と時間が必要です。
少なくとも数十年単位で考える必要があると思います。

考えてみるとわかると思いますが、優秀な人達が研究のためにデータを毎日取り、
必死で内容を分析・考察するということを寝る間も惜しんで、無償でやっているのです。

普通の人にはちょっと難しいですよね。

その分野のことが好きでたまらなく、自分の「生きがい」と言い張れる位でないと、
何十年も続けられないと思います。

3.管理職になる

3つ目の選択肢として管理職になるというのが上げられます。
上の2つよりは現実的な方法ではあります。

ヒラの頃より少し給料が増えますし、その地域で優秀だと評判の人になると、
他の病院や施設から声が掛かってヘッドハンティングされることもあるようです。

実際、私の勤務先の主任がそうでした。他の病院からヘッドハンティングされたんですね。
将来は課長・部長候補だったのですが、家庭の諸事情があり辞めているんですけど。

しかし、リハビリ職における管理職は勤務先のトップと、部下の療法士との間で
管理業務をすることが多いと思います。

皆さんが勤務しているところの管理職に当てはめてみて下さい。
給料が数万円は増えるのですが、人間関係・業務のストレスは比較にならないくらい
増えることが想像できます。

 

従来のキャリアUPのやり方では限界がある

リハビリの臨床に出て数年の経験があり、察しの良い方は気付いていると思いますが、
従来のような着実に給料を増やすためのキャリアUPの方法が不透明になっています。

理学療法士・作業療法士自体の職業人数が大幅に増え、診療報酬は年々減少、
従来の考え方に引きずられていては、何十年後かに後悔する場合もあるんです。

セラピスト(PT・OT)は国家資格であるため、安定はしてはいます。
AIの台頭など色々言われていますが、この仕事が無くなることは恐らくないでしょう。

しかし、現状の診療報酬について考えてみると、今後の給料UPが見込みにくく、
「がんばっても見返りのない仕事」になってきているのは間違いないと思います。

従来のキャリアUPからの脱却

リハビリ職を「がんばれば見返りのある仕事」とするにはどうすればいいのでしょうか?

これからは、今までとは違う視点でキャリアを構築していくことが必要だと思います。

先輩や同期のセラピストに、将来の自分のキャリアを聞いても納得のいく答えは聞けません。

「今までどおりやっていればどうにかなるんじゃない?」

というようなスタンスの場合がほとんどです。

中には意識が高い系の人もいて
「エビデンスを確立してリハビリの有効性を社会的に認めてもらう」とか、
「研鑽を重ね選ばれるセラピストになる」
とかいう人もいます。

しかし、これは私には本当に自分で考え抜いた言葉ではなく、従来の考えに身を任せた
ステレオタイプな考えにしか思えません。

確かに信頼性の高いエビデンスを確立するのはリハビリの価値を高める上で重要ですが、
今の膨れ上がった医療費を考えると、今後この事が影響して診療報酬が上がり、
そこから、さらにセラピストの給料が上がるとは思えません。

また、「選ばれるセラピストになる」という考え方も、一方でいえば
「選ばれないセラピスト」を多く作り出すことに繋がるのではないでしょうか

少し考えてみるとわかるのですが、リハビリ業界が「実力主義」になると、
最終的には「お金を持っている人」が生き残ることになります。

ご存知の通り、リハビリの勉強会は金額が高いです。ですがお金さえあれば、
勉強会にも参加できますし、最新の知見が載っている書籍も多く買えます。

もし「選ばれるセラピストになる」という方向性を選択した業界になったとします。

お金のない人たちは早々と淘汰され、生き残ったセラピストは延々と勉強会に参加し続けないと、
立場を維持できないようになります。

休日を勉強会で潰し、今後も下がると考えられる診療報酬がさらに下がり、
減った給料をさらに勉強会で削られることになります。

「生き残ったセラピスト」もその数を徐々に減らし脱落していくことでしょう。

そして、最後に一体誰が生き残るのでしょうか?

皆さんの中にも家庭を持っている人もたくさんいるでしょう。

「選ばれるセラピスト」になるべきという考えが主流になってしまうと、
仕事中心の生き方になり、時間やお金を使い続けることになります。

そうなれば、家族や自分を犠牲にするとは考えられないでしょうか?

仕事中心で自分たちの生活の優先順位を下げる必要はあるのでしょうか?

家族がつらい思いをしているのに時間を惜しんで勉強会に行き、少ない給料を削る…。

それが一生続くことにあなたは耐えられるでしょうか?
いったい「誰の」「何のために」?

背景にあるのは勉強会に参加しなければ、自分の面子や立場が保てない
という小さいプライドではありませんか?

患者さんにとってはあなたでなくとも、他の人が効果的な治療をすることもできます。

しかし、あなたの家族やあなたの時間はあなたが守るしかないのです。

まずは、自分の家族や自分をしっかり守れることが自分の人生をコントロールする上で、
優先順位が高いのではないかと私は考えます。

リハビリ業界はブラックだと認識されれば、今後を担うセラピストがいなくなり、
結果として業界自体が立ちいかなくなるのではないかと思います。

そうなれば、不利益を被るのは患者さんで本末転倒な事になります。

こういった考え方がまかり通ってしまうと、将来に希望ややりがいが持てません。

つまり、従来の方法や考え方では有効なキャリアUPは望めないと思います。
そのため、これからは少し違った視点で自分のキャリアを考え直す必要があります。

そのためのキーとなるのが「インターネット」を使ったキャリア確立の方法です。

今では、ブログ、SNSの発展でネットでの情報発信などの方法が簡単にできます。

実際に私はネットでの情報発信を行い、このブログを始めて
10か月程度で一定の報酬を得ることができています。

 

まとめ

今回は「セラピスト(理学療法士・作業療法士)が給料を上げるにはどうするか?」について
記事にさせていただきました。

正直、自身の業務や家庭の事、変化の早い業界の状態に追いつくことだけでも
一生懸命で、今後の将来のことを考える機会が少ないとは思います。

今までのような
1.起業・開業
2.研究者・臨床家としての名声を得る
3.管理職になる

といった方法や、エビデンスの確立、選ばれるセラピストという言葉はよく吟味すると、
いかにステレオタイプの思考で本質を捉えきれていないかがわかるのではないでしょうか。

平凡なセラピストには向いていない方法なのだと思います。

ですが閉塞的なこのリハビリ業界で、新しいキャリアUPの方法を模索し実践している方も
ネット上にはたくさんいます。

「こうすればうまくいくんだ!」

という方法を知り、実践できることを目指したいと思っています。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです