「エピソード記憶とは?」その意味・解釈について作業療法士が解説




こんにちは。作業療法士のトアルです。

今回は「エピソード記憶」について解説させていただきます。

そんなの今更説明しなくても大丈夫と思う方もいるかもしれませんが、
ちょっと待ってください。

「では、エピソード記憶とは何でしょう? 20文字以内で答えて下さい。」

と聞かれた時、どう答えますか?

その答えが知りたい方は、以下の記事を読み進めて下さい。

エピソード記憶とは?

「エピソード記憶」は「長期記憶」に含まれます。

「長期記憶」は「記憶の貯蔵庫モデル」の中で、3番目の過程にあたります。

この「長期記憶」は3種類あり、以下のように分けられます。

「エピソード記憶」とは簡単にいえば「自分が体験した出来事の記憶」のことになります。
これが上の問いの答えです。数は14文字。

「なんだ、つまらないな」と思った方もいるとは思いますが、
この時の「肩透かし」の感情って記憶にとって重要な位置づけを持ちます。

さて、話を戻しますが、あなたは自分の小学校の入学式のことを覚えているでしょうか?
また昨日の昼食何を食べたでしょうか?
前に読んだ記事のタイトルは何だったでしょうか?

このような自分が体験した出来事についての記憶を「エピソード記憶」と呼びます。

エピソード記憶と意味記憶の大きな違いは3つあり、

1つ目は、その体験がいつだったのか(時間)、
2つ目は、その体験がどこだったのか(場所)、
3つ目は、その時自分がどんなことを感じていたのか (自己感覚)

といった情報が含まれている点になります。
これだけでは、分かりにくいと思うので例を具体的に出してみましょう。

 

「自転車」にまつわる「意味記憶」と「エピソード記憶」

例えば「自転車」を例として取り上げてみましょう。
「自転車」には「ママチャリ」や「マウンテンバイク」「補助輪付きの自転車」などがあります。

この中でも、ママチャリと言うと普通は

「両脚のスタンドがついている」
「チェーンカバーでチェーン全体が覆われている」
「ハンドルの前面にかごがついている」

などの特徴を持つといったことが思い浮かびます。

このような知識は、自転車が何であるかについての記憶であり「意味記憶」と呼ばれます。

また「自転車」に関係する出来事についても記憶しているでしょう。

例えば小学生の時、下り坂を自転車で走っていてカーブを曲がりきれず、壁にぶつかり怪我をしたとか、
大学生の時に買ったばかりの自転車を盗まれたとか言った出来事になります。

こういった個人の経験に基づいた記憶を「エピソード記憶」と言います。

この記事を読んでいる方の中にも、「自転車」というキーワードで様々な、自分自身の経験を
思い出した方もいることでしょう。

単純に自分が今まで乗っていた自転車のことや、自転車にまつわるエピソードを
思い出された方もいるかもしれません。

このように意味記憶もエピソード記憶も何も個人個人の記憶にあるかどうか
意識されている記憶のことで「顕在記憶」とも呼ばれます。

まとめ

今回は「エピソード記憶とは何か?」について解説させていただきました。

まとめると、エピソード記憶はその体験をした「時間」「場所」「その時の自己感覚」が
含まれた記憶になります。

自分が今まで経験した事って記憶に残りやすいですよね。
上の記事で上げた「自転車」についてもそうですが、作業療法士の学生時代の事も
良く覚えていると思います。

「2回目の実習の時は大変だったなぁ」
「国家試験に合格して本当にうれしかった」

などです。

この記憶の中には、その時の自分の感情が入っているため、とても記憶に残りやすいんです。

前述した肩透かしの感覚も、その例の1つかもしれません。
(少し叱られそうですが…)

この誰にでもある「感情」と「エピソード記憶」を有効に利用した「記憶術」というものがあります。

初めて聞く人にはにわかには信じがたいかもしれませんが、「感情」と「エピソード記憶」を
少し利用するだけで、覚えたい事を記憶する能力が飛躍的に上がります。

その方法について知りたい方は、この本をお勧めします。↓

精神科医の先生が執筆された本で、最新の脳科学に基づいたエビデンスや、ご自身の経験から
得られた勉強法、現在も続けている勉強法(アウトプット法)も解説されています。

毎日You Tubeで動画を配信されているようで、そのバイタリティは見習いたい所です。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。