「自分は運がいいと思いますか?」この質問にどう答えるか。




こんにちは。作業療法士のトアルです。

「あなたは自分が運がいいと思いますか?」

この言葉は、松下電器(現パナソニック)の創業者である松下幸之助氏が会社の面接で必ずしていた質問なのだそうです。

松下幸之助氏と言えば、今でも著書「道をひらく」などが読み継がれている昭和の大実業家です。

「あなたは自分が運がいいと思いますか?」という質問と、「会社の面接」って何も関係がなさそうですよね。私が面接を受ける立場だったら「もう一度お願いします。」と思わず聞き返してしまいそうになります。

どう答えるのがベストか、大パニックになりそうですよね。
下手に勘ぐってしまい恐らくフリーズするでしょう。しかも面接する会社は大企業。

話を元に戻しますが、「あなたは運がいいと思いますか?」松下氏が言った、この質問の中に込められている意味というものが深く、なるほど一理あるかもと思える内容だったので、その内容について紹介したいと思います。

「あなたは自分が運がいいと思いますか」?

松下氏には採用面接で必ず聞く質問があったそうです。
その質問とは「あなたは自分が運がいいと思いますか」というもの。

「自分は運がいいと思うか?」この質問に、どういう風に答えた人が採用になっていたのでしょう?

正解は 「はい」と答えた人です。

その理由は何でしょう?

・運のいい人を採用すると社運が引き上げられるから?
・ポジティブなメンタルがある人を採用したいから?

「運」という目に見えないものに、昭和の大企業家が頼ったりするでしょうか?
それとも「運がいいと思う人」はポジティブシンキングなので、社内の雰囲気が明るくなったり、
既成概念に囚われない自由な発想が膨らむから?

実は、この質問の本当の理由はもっと深いところにあります。

「自分は運がいい」と思っている人の特徴

「自分は運がいい」と思っている人は、「自分の努力だけでやってきた」というおごりがなく
「人や時の運に恵まれてきた」という感謝の念があるからだそうです。

「自分は運がいい」と思っている人は、人様に感謝し、 謙虚に一生懸命仕事に取り組むだろう、そして、自分の成果もまた「人に恵まれていた」「運が良かった」と捉えるから会社や社会に恩返ししようとするだろうと考えていたそうです。

松下氏は面接のときに「自分が運がいいと思うか?」という質問によって、相手の価値観を見抜いていたとも言えるかもしれません。

・謙虚に一生懸命物事に取り組んでいるか。
・どこかで自分の能力を驕ってはいないか。

この質問に誠実に「はい」と答えられれば「前向きさ」「謙虚さ」があるのかが、一目瞭然になります。

例えば、一緒に仕事をやっていく人が、「人様への感謝」を忘れず、謙虚に一生懸命頑張るタイプか、それとも「全ては自分の努力のおかげ」と考えていて、あなたが失敗したら「お前の努力が足りない」と攻めるタイプなのか。

たとえ、能力が高くても傲慢で独りよがりな人だと、短期的には結果を出せても、長期的には誰も付いてこなくなり、結果的に会社にとって損益を招きかねません。

「あの人はいつも人を見下している。」そんな人と一緒に仕事をしたくはないですよね。

共に協力して仕事ができる人なのかを判断するために、松下氏はこのような質問を用意したのではないでしょうか?

傲慢な人の特徴

傲慢な人の特徴は、あくまでも自分が中心で、自分は注目されるのが当然、他人は自分の意思を実現させるために利用するものだと考えている事が多いようです。

「~してもらって当たり前」という考えがあるため、人に頼ったり、人に素直に感謝することが苦手なことが多いのです。一番の問題点は、傲慢な人はそのことに自覚がないという事です。

能力が高く、仕事ができるため、誰もそれを注意することができないんですね。

基本的に何でも一人でやろうとするため、周囲と険悪になりトラブルメーカーになりかねません。

あなたの職場にもこういう「傲慢な人」はいませんか?
そして、こういう人についていきたいと思うでしょうか?
ひょっとすると、自分がこういう人間になっていないでしょうか?

自分自身が「傲慢な人」になっていないかチェックする方法が1つだけあります。

それは『同僚や後輩が結果を出したり、成功したときにそれを称賛できるかどうか』です。

「よくやったね!」「おめでとう!」「素晴らしいね!」

たとえ、心からのものでなくても、称賛の言葉を口にして言えるのであれば、あなたは傲慢な人ではないと思います。

なぜなら、本当に傲慢な人はそれすらも口にできず、むしろ、その人を下げる評価を口にしようとするはずだからです。



まとめ

「自分は運がいいと思うか?」時には、松下幸之助氏が言った、この質問の意味と自分は傲慢にはなっていないだろうかを、時々思い返しつつ、自問自答したいと思います。

最後に、松下幸之助氏の著書「道をひらく」について紹介させていただきます。

 

リハビリとは一見関係なさそうですが、これからの時代はセラピストもマネジメントが求められていく時代と言われています。
昭和の実業家がどういう考え方をしていたのか、平成、令和と時代が変わっても普遍的で共通する部分もあるでしょう。

その本を読んでインプットしてみるのも必要ではないでしょうか?

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。