Alb(アルブミン)の離床の基準は何?早期離床で気を付けて欲しいポイント




 

こんにちは。作業療法士のトアルです。

 

皆さんは、臨床でAlb(アルブミン)のことを気にかけていると思います。
リハビリで離床・運動療法を行う上では必須の知識です。

 

今回はAlb(アルブミン)が異常値を示しているとき、
急性期ではどういう所に注意をして離床をすべきかについての解説をしたいと思います。

 

Albの概要


                                                       出典:wikipedia

簡単に説明すると、Alb(アルブミン)とは血液・体液に含まれているタンパク質の一種です。

その働きは膠質浸透圧の維持や血中の様々な物質の運搬などで栄養状態の指標とされます。

TP (総タンパク)のうち最も量が多く(50~70%)アミノ酸をもとに肝臓で合成されます。
※ちなみにTPとは総タンパク量のことです。リハではAlbを指標とすることが多いです。

 

基準値

・Alb(アルブミン):4.1~5.1㎎/dL
※病院ごとに異なる場合もあります。ご了承ください。

 

Albはタンパク質から合成されます。
そのため、タンパク質の「同化」「異化」について知る必要があります。

 

同化と異化

人の体の中ではは常に代謝が行われています。
栄養を分解したり、合成したりすることを「異化」や「同化」と呼びます。

 

異化とは

人が摂取する栄養素は「炭水化物」「脂肪」「タンパク質」があります。
これらを3大栄養素とよびます。
「異化」とは、栄養素を分解することにより生体内のエネルギー源である
「ATP」に変換することです。

 

同化とは

生体内で分解された低分子化合物から高分子化合物を合成することを「同化」とよびます。
例としては、アミノ酸(低分子化合物)からタンパク質(高分子化合物)を合成などです。

簡単にまとめると、
「異化」でエネルギーを作り出し「同化」で体の材料を作るという感じです。

 

Alb(アルブミン)が高値のときにリハビリ介入はどうするか?

リハビリ介入の可否ですが、介入に関しては特に問題はないようです。

ただし、脱水で循環体液量が減り、相対的にAlbが見えている場合もあり注意が必要です。
その場合、付け加えてBUN(尿素窒素)の値が高くなっていないか確認してみると
「脱水」かどうか判別しやすくなると思います。

 

Alb(アルブミン)が低値のときはどうするか?

Alb(アルブミン)が低いと、

・体重減少
・腹水・浮腫

がみられます。

低値となる機序として、肝臓でのAlbの産生の低下やタンパク質の分解が亢進する
ことが考えられます。

原因としては、

・肝硬変
・劇症肝炎
・炎症性疾患
・長期の絶食状態

などがあげられます。

 

Alb(アルブミン)が低値のときリハビリ前に確認すること

リハビリ介入の可否ですが、Albが低値のときには基本的にリハの禁忌はないようです。

ただし、リハビリで運動療法を行う場合は注意が必要になってきます。

Albが低く炎症が強い場合はタンパク質の「異化」が生じてしまい
過度の運動負荷を掛けてしまうと、筋のタンパク質量を低下させる可能性があります。

そのため、極端に栄養状態が悪い場合は、体重や他の栄養評価を行い総合的に判断して
運動負荷量を決定します。

この基準になるのが「リハビリテーション栄養」になります。
詳しくは別の記事で紹介します。

また、低栄養状態(Alb:3.5g/dl)では褥瘡リスクが高いとされており
予防のポジショニングを考慮する必要があります。

 

まとめ

今回は、「Alb」についてのリハビリ介入ポイントについて
説明させていただきました。

この記事が皆さまのご参考にしていただければ幸いです。