こんにちは。作業療法士のトアルです。
前回お話しした「守・破・離」ですが、1~4年目(学生含む)であれば「守」のステージです。
なので「自分がやりたいこと」を見据えて、基本をしっかり学ぶということが
必要ではないかとお話させていただきました。
急性期OTの役割は、私の経験上PTと似ている所が多いと感じています。
急性期である以上、医学的な治療が優先されるため、身体的にも精神的にも
対象者の状態を見ながらになるため、積極的なリハビリができない事が多いんですね。
かといって、認知面にアプローチできるかというとそうでもなく、
「せん妄」や「認知症」の方も多いため中々「作業療法的アプローチ」という枠組みを
利用できる機会が少ないというのが現状だと思います。
そうするとどうなるのかというと、わかりやすく病棟ADLでの介助量を軽減するために
下肢の筋力訓練や可動域訓練、歩行を中心とした機能訓練になったりします。
そうすると「OTのアイデンティティって何?」ってことになります。
この問題、恐らく急性期に勤務するOTにとって避けては通れない所ではないでしょうか?
OTもPTの知識を取り入れるべきだと思う
私自身の個人的な考えになりますが、やはりOTもPTのように
下肢・歩行に関しての知識は学ぶべきではないかと思います。
ただ、経験年数が足りないと「下肢・歩行まで勉強する時間がない!」っていうのが
現実問題としてはあると思います。
急性期は安全に離床につなげるために医学的な知識や安全管理に関してのリスク管理を
知らないといけませんし、OTであれば高次脳機能評価や上肢の機能解剖も勉強が必要です。
経験年数が上がってくれば、知識も定着してきて段々と慣れてくるのですが、
経験年数が低いと「あれもこれも勉強しなきゃ!」というストレスに押しつぶされそうになります。
でないと、今対応している対象者の方を放っておくことになりかねません。
では、時間が無い中でどうやって時間をつくればいいのでしょうか?
時間が無い中での下肢・歩行の勉強法
「一人で下肢・歩行の勉強するには時間が無い」この問題の解決方法ですが、
一番いいのは「信用できるPTの先輩に聞く」ってのが一番だと思います。
OTが歩行についてのことをPTに質問するのは抵抗があるって人も多いと思います。
下肢・歩行に一家言あるPTも多いですしね。
そういう人にわざわざ聞くことはないのです。
人を頼るっていうのは、実は人の距離感を縮める効果があります。
心理学的に見れば、頼られている方は「他者承認欲求」が満たされ
自己効用感が高まるとされています。
アメリカの心理学者ジョン・グレイ氏によると
「人に好かれるコツとして、とにかく相談事を持ち掛けて、相手の気分をよくすること」
と指摘しています。
「○○さんは歩行に詳しいと聞いたんですが、相談に乗ってくれませんか?」
こういう風に持ち掛けましょう。
相手はプライドをくすぐられますし、自分の専門分野なので饒舌に教えてくれると思います。
相談されたPTは患者さん以外では知識を発揮できる機会が少ないでしょうし、
職場にPTが多くいる中で自分を選んで頼ってくれたという所で「社会的報酬」が働くというのを
覚えておいた方がいいかもしれません。
誰かに相談事を持ち掛けられた時に「あなただから相談した」という文句は
キラーワードです。そんな経験はありませんか?
この勉強法の注意点
快く教わるには条件があって「信用できる人」「話ができる人」っていうのが条件です。
そして、相手のプライドをくすぐるキーワードを盛り込むっていう所です。
そして、教えてもらったら必ず相手に「感謝」と「褒め言葉」を伝えることです。
「○○さん、さすがお詳しいですね!」
「わかりやすく説明してくれてありがとうございました。また教えて下さい!」
という具合にです。
こうすれば、次にわからない時も教えてくれる確率は高くなると思います。
これは同期のPTにも使えます。
ですが、同期の場合だと経験が浅ければポイントを掴んでない事もあるので、
できれば経験年数のある人に聞くのがいいんじゃないかと思います。
まとめ
今回は「急性期OTが楽に下肢・歩行を勉強する方法」として
記事を書かせていただきました。
もう少し突っ込んだとこまで書こうかと思うのですが、
それはまた時期をみて書きたいと思います。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。